電子書籍取次「メディアドゥ」、急成長の秘密 「LINEマンガ」や「楽天マンガ」に独占提供
LINEや楽天といったネット業界の有名企業とタッグを組み、成長を加速させている企業がある。電子書籍取次のメディアドゥだ。2013年に東証マザーズに上場、2016年2月には東証1部への昇格を果たしている。
電子書籍取次とは、電子化したマンガなどのコンテンツを出版社から預かり、米アマゾンの「キンドル」や楽天傘下の「コボ」といった電子書店に卸し、そこでの販売額に応じて収入を得る中間流通のビジネスだ。
紙の書籍でも、出版社と書店をつなぐ取次業者が存在するが、それを電子書籍で行っている。メディアドゥを含む電子書籍取次業者は一般的に、電子書店で販売された金額の10%程度を得ている模様だ。
LINEマンガへ独占提供
ただしメディアドゥの場合、コンテンツの取次販売にとどまらない。2013年4月からは、LINEの漫画閲覧サービス「LINEマンガ」へ、電子版の漫画コンテンツとともに、読者への配信システムも、独占提供を開始した。単純な電子書籍の取次に比べ、システム提供分も上乗せされて利幅が厚いため、メディアドゥはこの分野を重点的に伸ばしていく方針だ。
メディアドゥの2016年2月期業績は、売上高が前年同期比39%増の112億円、営業利益が同34%増の5.5億円と、好調そのもの。売上高の約95%を占める主力の電子書籍事業が牽引している。中でも、「LINEマンガ」のように、電子書籍と配信システムの双方を提供する分野の売上高が49.6億円と最大で、伸び率も4割超と貢献が大きい。
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