楽天、海外事業立て直しで問われる真の底力

ついにヨーロッパでも「取捨選択」を決断

楽天は海外における買収の減損もあり、欧州などで大幅な拠点の見直しに踏み切った(写真は4月25日のドローン「そら楽」の発表会。撮影:尾形文繁)

楽天が海外事業の本格的な取捨選択に踏み出す。

6月8日には欧州のECモール事業で抜本的な見直し策を発表した。英国とスペインからは撤退。オーストリアは拠点を閉鎖してドイツにサービス提供機能を統合、今後はフランスとドイツに経営資源を集中させる。8月末までにサイト閉鎖を終え、欧州全体で従業員100人前後を削減する予定だ。

すでにアジアでは見直しを進めている。インドネシアとマレーシア、シンガポールでは、3月にECモールを閉鎖。タイではECモール事業会社を4月に売却した。三木谷浩史会長兼社長は2月の決算会見で、「東南アジアはまだECの市場規模が小さいため、事業モデルの修正を実施していく」と説明している。

アジアに続いて、欧州でも大ナタを振るったことで、10カ国・地域以上に進出したECモール事業の海外拠点は、台湾や米国と合わせて、5カ国・地域まで縮小。海外は、これまでの先行投資を伴う拡大路線から一転、米EC支援子会社のイーベイツなどを軸に、着実に収益貢献できる体質への変換を急ぐことが鮮明になった。

国内では確立できた「楽天経済圏」

楽天が国内で成長を続けてきたのは、他社に先行したモール型ECで圧倒的な地位を得たうえで、グループ内の複数のサービス利用を促進して収益を雪だるま式に拡大する、「楽天経済圏」のモデルを確立したからだ。

代表的な例は、ECモール「楽天市場」とクレジットカード「楽天カード」の相乗効果。会員は、楽天市場の決済を楽天カードで行えば、ポイントを多くもらえるため、繰り返し両サービスを使うようになる。こうして楽天は2つのサービスから継続的に収益を得られることになるわけだ。

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