「ゾゾタウン」がフリマアプリに電撃参戦 独自の経済圏でライバルに勝てるのか

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「ZOZOのサービス間の相乗効果を強めていきたい」と話す、ZOZOフリマを運営するスタートトゥデイ子会社の光本勇介CEO

スマートフォンを使って個人間で洋服や雑貨を売買するフリーマーケット(フリマ)アプリ業界に、噂の大物がついに参戦した。

ファッションECサイト「ZOZOTOWN(ゾゾタウン)」を運営するスタートトゥデイは、12月に「ZOZOフリマ」を投入。フリマアプリでは、国内2000万ダウンロードの「メルカリ」やファッション特化の「フリル」など、先行するサービスがすでに激しい競争を繰り広げている。遅ればせながらの登場となったが、フリマアプリの主戦場は衣料品だ。”最後の大物”は、ECサイトで培った経験を武器に、どう戦うのか。

「参入するには、今がベストなタイミングだ」。こう言い切るのは、「ゾゾフリマ」の開発や運営を担うスタートトゥデイ子会社「ブラケット」の光本勇介CEO(最高経営責任者)。フリマアプリのユーザー層が広がり、一般消費者に浸透しつつある段階だと市場を分析する。今なら市場成長の波に乗って利用者を増やせるが、これよりも遅くなれば完全に出遅れるという見立てだ。

ただ、後発である以上、サービスに明確な強みがなければ、勝つのは難しい。ゾゾフリマはどのようにしてユーザーを獲得し、事業規模を拡大していく計画なのか。

後発ゆえの戦略とは?

間違いなくカギになるのが、既存サービスとの連携だ。2004年にスタートしたゾゾタウンは年間購入者数350万人超のサービスに成長し、ファッション分野のECでは圧倒的な知名度だ。さらに、自身のコーディネイトを紹介するアプリ「WEAR(ウェア)」も月間利用者数(MAU)が600万人を突破している。

フリマアプリ単独で勝負するのではなく、既存の2つのサービスに、ゾゾフリマを加えて相互に連携を図り、サービス間をユーザーが回遊する、いわば”ZOZO経済圏”を形成していく狙いがある。

ゾゾフリマの出品は無料。商品が売れた場合、スタートトゥデイは10%の手数料を得る。ユーザーは売上金を現金で受け取るか、ゾゾのポイントで受け取るかを選べる。

ポイントで受け取ると、キャンペーン期間中は現金より5%上乗せされた額が手に入り、ゾゾフリマやゾゾタウンで使うことができる。古着を出品して、新品を購入する。そして、購入した新品に飽きたら、出品する。

「フリマアプリで、中古品から新品への導線を提供していることが強みになる」(光本CEO)。こうした循環がゾゾタウンを中心にしたスタートトゥデイのサービス内で加速していけば、ユーザーの囲い込みが進み、利益も拡大していくことになる。

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