イーベイCEO「日本市場の伸びしろは大きい」 米EC大手は、日本をどう攻略するのか

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ウェニグCEOは日本市場の成長余地について、熱く語った。(撮影:今井康一)
米EC(電子商取引)大手イーベイは、売上規模で最大の事業だった電子決済サービスのペイパルを7月に分社。ペイパル分離後、初となるイーベイの2015年度第3四半期決算(7~9月)は、売上高が前年同期比2%減の20億9900万ドル(約2581億円)、営業利益が同3%減の5億7800万ドル(約710億円)。一方、EC分野でライバルの米アマゾンは同期間の第3四半期売上高が同23%増の253億5800万ドル(約3兆1190億円)と事業規模を大きく伸ばしている。
ペイパルを手放したイーベイは今後、成長を加速できるのか。7月に就任したデヴィン・ウェニグCEO(最高経営責任者)を直撃した。

日本市場は大きく伸びている

――足元の業績を見ると流通総額は1ケタ台の成長で、伸び悩んでいる印象を受ける。

イーベイは来年で20周年を迎えるが、トップとしての私の役割は、次の20年に向けてさらに発展させていくことだ。直近の業績についても順調だと考えているが、四半期ごとの業績に一喜一憂せずに、長期的な視点で経営に取り組むことが大事だ。

事業領域の絞り込みも進めており、6月に米広告サイトのクレイグスリストの保有株を売却したほか、企業向けの自社EC支援事業の売却も予定している。経営資源をマーケットプレイス型のEC事業に集中させることによって、競争力を高められるはずだ。

――業績を伸ばすための具体的な施策は?

イーベイが最優先で改善すべき課題は、サイト内で関連商品の情報を統合的に管理する「カタログ化」ができていないことだ。販売事業者が別々でも、同じ商品を扱う場合には価格比較などをできるようにする。

欲しい商品が見つかりやすくなるため、消費者と販売事業者の双方に大きなメリットがあるはずだ。現在は約30%までカタログ化を進めており、来年の6月までに60%に高める予定だ。大きな投資が必要になるが、それだけ重要な経営課題だととらえている。

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