ペイパルは"現金大国"日本をどう攻略するか

イーベイから分離し上場、独立系として本格展開

ペイパルの時価総額はイーベイを抜き日本円にして6兆にのぼる

デジタルウォレット(電子財布)の草分けで、世界最大級のデジタル決済ビジネスを展開する米国のペイパルは7月20日、Eコマース(電子商取引)大手イーベイからの分社化手続きを完了し、米ナスダック市場に上場した。時価総額は約490億ドル(約6兆円)を超え、母体企業のイーベイ(約350億ドル)を大幅に上回った。成長性や収益力が評価されたペイパルは独立系企業としての強みを生かし、「オープン・デジタル決済プラットフォーム」と呼ぶ独自の戦略を強化していく。

東洋経済のインタビューに応じたペイパル東京支店ジャパン・カントリーマネージャーのエレナ・ワイズ氏は、「分社化後もイーベイとの良好な関係を維持しつつ、ほかの大手ネット企業やリアルの流通企業との関係を深めていく」と語った。以下はワイズ氏との一問一答。

アマゾンなどイーベイ以外とのビジネスに期待

――上場初日の市場の評価は良好だった。上場の狙いはどこにあるのか。

2002年にイーベイに買収された後、同社のEコマース事業とペイパルはシナジー効果を発揮してお互いに成長してきた。Eコマースの初期にはとりわけ顧客の信頼が重要であり、代表的企業のイーベイの元にあったことは大きな意味があった。

ペイパル決済では、クレジットカード番号を含む決済の情報は店舗などの第三者の手に渡ることがない。そのため、安心感を得られるうえ、不正が起こった場合には、売り手と買い手が被った被害を補償する仕組みになっている。

こうしたセキュリティの高さが評価されてきたことでペイパルは高い成長率を続け、現在ではイーベイ(のEコマース事業)に匹敵する事業規模に成長した。

その反面、イーベイとのシナジー効果は以前ほど大きくなくなっており、むしろそれぞれが成長していくうえでマイナス面が大きくなっていた。Eコマースでは、(アマゾンドットコムを初めとした)大手企業による寡占化が進んでいるが、これまでペイパルはイーベイとの関係があるゆえにほかの大手のビジネスに入り込めなかった。今後は上場を機に、新たなビジネスチャンスが生まれることを期待している。

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