ペイパルは"現金大国"日本をどう攻略するか イーベイから分離し上場、独立系として本格展開
――現在のビジネスの規模は。
モバイル端末経由が7割近く増加したことから、2014年の取引金額は2350億ドルと前年比26%増を記録した。営業収益は前期比19%増となり、米国外からの収益が5割強に達した。203カ国・地域で事業を展開しており、2015年第1四半期(3月末)時点での1年間に1回以上の取引履歴があるアカウント数は1億6500万にのぼっている。
どんなデバイスにも対応できる決済の仕組み
――分社化によってイーベイとの関係はどうなるのか。
分社化に際して、5年にわたって有効な「オペレーティング・アグリーメント」を締結した。内容は、①両社はそれぞれの領域に参入しない、②ペイパルはイーベイでの決済において8割の利用率を維持するように努力する、③イーベイのプロダクト開発にしっかり対応すること、の3点だ。このような取り決めによって良好な関係を維持していく。
――アマゾンなど大手他社との関係は。
これまでビジネス上の接点はまったくなかった。というのは(アマゾンなどは)イーベイのライバルだったからだ。その一方で、これまでに中小ショップなどの開拓が進んできた結果、2015年第2四半期(4~6月)におけるイーベイ依存度は22%まで低下した。こうした結果を踏まえて今回、分社化に踏み切った。
――ほかの大手Eコマースや小売企業との関係を構築するうえで重要なのが技術的な優位性だと思う。ペイパルは「オープン・デジタル決済プラットフォーム」を標榜しているが、これはどのようなものか。
iPhoneやアンドロイドのスマートフォン、タブレットなど、どんなデバイスにも対応できる決済の仕組みだ。また、クレジットカードでも、アップルペイでもビットコインでも店舗側が受け入れられるようにする。当社は技術開発に必要なAPI(アプリケーション・プログラム・インターフェース)を公開しているので、それを用いて自由にアプリケーションを開発していただくことができる。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら