ヤフー小澤氏「楽天、アマゾンはまだ遠い」 ショッピング事業を率いるキーマンを直撃

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小澤隆生氏は起業した会社を複数回売却、楽天では球団立ち上げなども経験している(撮影:梅谷秀司)
広告事業が収益の過半を占めるヤフーが今、急ピッチで進めているのがEC事業の強化だ。モール型EC(多数のショップが独自の方法で出店する)の「Yahoo!ショッピング」は1999年のサービス開始以来、同じモール型である楽天の「楽天市場」の後塵を拝してきたが、2013年秋に出店料などの手数料を無料化し、出店店舗数が増加。2015年からポイント還元も強化して利用が活発化している。
2015年度の流通総額は、アスクルと共同運営する直販型EC「ロハコ」との合算で約3800億円と前年比4割増の成長を遂げた。国内EC市場はアマゾンと楽天の2強態勢が続いてきたが、そこに分け入ることができるのか。統括する小澤隆生・執行役員ショッピングカンパニー長に事業戦略を聞いた。

 

――以前、「国内EC市場でアマゾンと楽天にヤフーも加えた3強と呼ばれるように変えていきたい」と話していた。現状をどう見ているか。

「Yahoo!ショッピング」と(ネットオークションの)「ヤフオク!」を合わせて考えれば、3つの大きな選択肢の1つにヤフーがあるというところまでは来ていると思う。しかし、ショッピングだけの事業規模を見た場合、まだまだという認識だ。

アマゾンや楽天と比べると、一般的な知名度でも差は大きい。今後は、1000万人超の規模があるヤフーの月額有料会員(Yahoo!プレミアム)に向けて、ショッピングを利用するとポイント還元で得だ、というメリットをさらにアピールして利用を広げていく。

あらゆる世代に使ってもらいたい

Yahoo!ショッピングの商品数は楽天と肩を並べる水準に増えている

――2016年度の流通総額の見通しは?

2015年度は前年比4割増だったが、今年も同程度の伸び率は実現するつもりだ。今の成長速度で考えると、再来年にも年間の流通総額1兆円が見えてくるが、4割成長を維持するという考え方ではダメだろう。

顧客の満足度を高めることで集客力も上げて、成長をさらに加速する。具体的には、サイトやアプリの読み込み速度を上げて使い勝手をよくしたり、商品検索で欲しいものがしっかり出てくるように改善を積み重ねていく方針だ。

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