西松屋、「電機リストラ組」大量採用の"信念" パナ、シャープ、ソニーなどから80人超

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郊外を中心に全国展開する西松屋。店員2人で回すローコストオペレーションが特徴だ
全国約900店で展開するベビー・子ども用品専門店の西松屋チェーン(本社・兵庫県姫路市)が独自開発した商品でヒットを連発している。ストレッチパンツ、ベビーカー、傘、座れるおもちゃ箱、組み合わせマットなど、枚挙にいとまがない。
その原動力はパナソニックやシャープなど大手電機メーカーを辞めてきた「リストラ技術者」たちだ。平均年齢は58歳。採用人数は80人を超えた。自身も鉄鋼業界の技術者だった西松屋チェーンの大村禎史社長(61歳)に大量採用の狙いを聞いた。

 

――なぜ異業種である電機業界から採用しているのですか?

もともと自社開発のPB(プライベートブランド)商品は、20年以上前から手掛けていたが、ベンダーや問屋にかなり依存し、仕入れの延長線上のようなものになっていた。

だが、競合店と差別化していくためには、もっとお客さんの立場を考えた、本格的なPB開発が必要だ。われわれがイニシアチブをとり、企画から生産、品質、数量管理まできちんとできる体制にしたい。

ただ、当初は自分たちだけではなかなかうまくいかなかった。たまたま旧三洋電機(パナソニックが吸収)の業績が悪くなる中、(日本にチェーンストアを伝えた)渥美俊一先生から「家電メーカーの技術者を採用して、生産管理などをやってもらったらいい」とアドバイスをもらい、数年前から技術者採用を本格化した。

第一号のベビーカーがヒット

大村禎史社長は「電機メーカーの技術者は優秀、もっと採用したい」と語る

――どんな商品から開発を始めたのですか。

最初はこちらも何を作ってもらったらいいかというのがわからなかった。第1号として三洋電機から2009年に来てもらった浜田昇治さん(65歳、ベビーカー開発マーチャンダイザー)とは売り場を一緒に回って、「ベビーカーを作ってもらえますか」とお願いした。一番メカニカル的だと思って(笑)。

一人でポツンと頑張ってもらいながら、米国研修などチェーンストアの勉強もしてもらった。ただ、こちらから「ああしてくれ、こうしてくれ」とは言わなかった。1年半ほど経って商品が完成して、それが年間3万台ぐらい売れて「あ、これはいけるやないか」と。

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