アサイーブーム終焉で煽りを食ったあの会社 マザーズ上場、フルッタフルッタが大ピンチ
「ここまで、急激にブームがしぼむとは…」と、フルッタフルッタの担当者はため息をつく。
高い栄養価と抗酸化作用が話題を呼び、2013年にブームを巻き起こしたアサイー。ブラジル原産のヤシ科の果実で、ブルーベリーの約18倍のポリフェノールや、牛乳の約3倍のカルシウムを含むとされる。ビタミンBやミネラルも豊富で、栄養価が突出して高い食品の総称である「スーパーフード」の代表格だ。
市場規模は4年で10倍以上に膨張
メディアでも多く取り上げられ、アサイー関連商品の市場は一気に拡大。
当時、スーパーやコンビニの店頭にはドリンクやピューレなど、多種多様な商品が並んだ。ハワイアンレストランといった外食店でも、アサイーボウルなどが定番のメニューとなった。
市場調査会社インテージによると、アサイー飲料の市場規模は2011年にわずか4億円だったが、2014年に10倍以上の57億円まで拡大した。
このブームの波に乗ったのが、フルッタフルッタだ。同社はアサイーをはじめとするアマゾンフルーツの冷凍パルプ(搾汁加工したパック)の輸入、加工販売を手掛けている。
2002年に日本で初めてアサイーの販売を開始したパイオニアで、「フルッタ」とは、ブラジルの公用語、ポルトガル語で果実を指す。アサイーブームにより急成長をとげ、2014年12月に東証マザーズへ上場した。
ところがアサイーブームは、2014年をピークに突如終焉を迎えてしまう。前述のインテージの調査によれば、アサイー飲料の市場規模は2014年の57億円から、2015年には36億円と4割近く減少。メディアでの露出が減ったことや、消費者がほかの食品に流れたことが原因だと見られる。
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