アサイーブーム終焉で煽りを食ったあの会社 マザーズ上場、フルッタフルッタが大ピンチ

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フルッタフルッタにとって、アサイーは売上高の8割以上を占める主力商品。当然、ブームの終焉は業績を直撃した。2015年度は当初、売上高で40億円、経常利益は1.18億円という見通しを出していた。

だが、結局3回の業績下方修正を繰り返し、着地は売上高25.7億円(前期比23.1%減)、経常利益は5.79億円の損失(前期は3.49億円の黒字)と散々な結果に終わった。

上場の翌年には大赤字に転落

上場後、わずか1年余りでビジネスモデルが行き詰まった。見通しに"甘さ"はなかったのか(撮影:今井康一)

店舗などの固定資産の減損も計上したことで、当期純利益に至っては6.83億円億円の赤字を計上(前期は2.01億円の黒字)。自己資本比率は2014年度末の48.0%から、2015年度末には18.6%まで低下した。

営業キャッシュフローの赤字が膨らんだことで、決算短信には、企業の継続性に不透明さがあることを示す「継続企業の前提に関する重要事象」が記載された。

崖っ縁のフルッタフルッタが選んだのは、他社との資本提携だった。手を組んだのは焼肉「牛角」のフランチャイズや、居酒屋「とり鉄」などの外食チェーンを手掛けるアスラポート・ダイニングだ。

フルッタフルッタはアスラポート傘下の乳製品メーカー、弘乳舎に対して第三者割当増資を実施。新株予約権の発行などと合わせて、約5億円を調達する公算だ。この内、3億円以上を運転資金に充てることで、資金繰りの安定化に努めるという。

フルッタフルッタの今2017年3月期の業績計画は、売上高26.0億円(前期比1.1%増)、経常利益は2億円の赤字(前期は5.79億円の赤字)を見込んでいる。

ピタヤ(ドラゴンフルーツ)やクプアス(カカオの仲間)など、アサイー以外のスーパーフード関連の新商品を投入する計画だ。徐々にアサイー依存を脱却し、「来2017年度には黒字化を目指す」(会社側)としている。

ただ、アサイーに続くヒット商品を育てられるかは未知数だ。上場後、わずかな期間でブームが終焉し、経営危機に直面したフルッタフルッタ。そのビジネスモデルに見通しの甘さはなかったのか。上場企業として、同社は正念場を迎えている。

中山 一貴 東洋経済 記者

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なかやま かずき / Kazuki Nakayama

趣味はTwitter(@overk0823)。1991年生まれ。東京外国語大学中国語専攻卒。在学中に北京師範大学文学部へ留学。2015年、東洋経済新報社に入社。食品・小売り業界の担当記者や『会社四季報 業界地図』編集長、『週刊東洋経済』編集部、『会社四季報』編集部、「会社四季報オンライン」編集部、『米国会社四季報』編集長などを経て2023年10月から東洋経済編集部(編集者・記者、マーケティング担当)。「財新・東洋経済スタジオ」スタッフを兼任。

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