こちらも、第16回文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門で審査員推薦作品や、米国TIME誌が選んだ「2011年 世界の発明ベスト50」に選出された。
転職してすぐ、しかも立て続けに話題作を生み、輝かしい受賞歴を誇る。すごい人なのだ。
作品も、実子も、同じく自分の子ども
クリエイター職の人はよく、作品は自分の子どものようなものだと形容する。作品を生み出す過程では、つねに最高を目指すために気が立ってイライラするだろうし、思いどおりにいかず難産になることも多いはずだ。
だから、生まれた作品は子どものように愛着が出るのだろう。中野さんも、「iButterfly」を長女、「necomimi」を次女と呼び、いつくしむ。
実生活で、本当の長男を妊娠したのは、“次女”の「necomimi」の製品化の最中のことだ。
「ギリギリまで働くつもりでした。でも、妊娠後期で切迫早産になり、2カ月半寝たきりの生活を送ることになってしまった。入院は1カ月間で後は家で寝ていたのですが、トイレとご飯を食べるとき以外は絶対安静で、iPadだけがお友達でした」
そんなつらい時期があったことも、中野さんはことさら強調せず、恬淡としている。
11年10月に無事長男を出産すると、翌年4月には都内の地元認可保育園に子どもを預け、早々に復帰。スンナリ保育園に入れたのは、妊娠初期のうちから、延長保育があり、母乳育児ができる保育園に的を絞って、見学を続けた成果だ。
「妊娠してすぐ『はじめての保育園』みたいな本を買い、保育園に預けるためのチェック項目をこなしていきました」
だが、働きながら母乳育児をすることの困難は“想定外”だったと言う。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら