電通”クリエイター母”の、超「達観」語録 男だろうが女だろうが、子供がいようがいまいが……

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「生後5カ月で復帰したので、搾乳するために、職場で一時退席しなければいけないこともよくあった。打ち合わせなどで、1日拘束される日は、搾乳するための場所などが確保できず、遠出できなくて困りましたね」

また、子どもができて、家事労働が急増したのも“盲点”だった。「赤子がいると、家ってこんなに汚れるのかと。毎朝、掃除の時間を作る必要があるとは思いませんでした」。

エクセルに1日の用事を書き出し、「無理です」

学生時代のアルバイト先で知り合った3歳年上の専門職の夫は、「全然家事をしない人」だった。それが今では、子どもの保育園の送り迎えはほぼ毎日、「夫の機能」だと言うから、すごい進展だ。

どうやって、夫を変えたのか?

「人間は自分で変わらないと、変わらない。彼自体が変わったんだと思います」

ただ、中野さんは、夫に協力してもらわないことには、育児と仕事の両立はできないと、論理的に説明したようだ。

「エクセルに、朝起きてからするべきことを、タイムラインで書き出しました。『起こす』『ご飯を作る』『食べさせる』『片づける』『登園準備する』なんて全部並べたのです。そのファイルを夫に見せて『私、コレを全部やるのは無理です』と伝えました」

プランナーのような企画職は、考えることが仕事だ。思考するには、そのヒントとなる情報を収集することが欠かせず、「24時間仕事のようなところがある」。いざ作品を作る段階になっても、画竜点睛を試みればキリがないから、いくらでも時間をかけられてしまう。

一方で、母親業もまた、その気ならいくらでも手をかけられる。中野さんは、その折り合いをどうつけているのか?

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