「招かれざる女性上司」、男社会でどう生きた? 横浜市長 林文子氏に聞く(上)

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近年は当たり前となった女性マネジャー。しかし、林氏が最初にマネジメント職についた頃は、まだまだ男性社会の名残が残っていた。女性マネジャーの先達として奮闘してきた林氏は、女性ならではの特性がマネジメントに生きると説く。

マネジャーをやってきて、女性ならではの特性が生きていると思うことがあります。男性は戦う動物であり、相手に対してバリアを張って身構えてしまうことがありますが、女性は比較的オープンで相手を受け入れる力があります。

しかし、男性が持っている女性マネジャーに対する苦手意識には苦労しました。わたしの世代では、ほとんどのマネジャーは男性で、女性というだけで一線をひかれてしまうような意識が残っていました。女性マネジャーの先例がないため、その人がどんなマネジメントをするのかがわからなかったのだと思います。女性はビジネスをやるうえで同じスタートラインになかなか立つことができなかったのです。一緒に仕事をしていく中で、男性がバリアを張ってしまうのをときほぐして、初めてスタートラインに立つことができました。

女性が持つしなやかさという特性

もちろん、女性マネジャーが増えてきた今の時代、そんな意識は少なくなってきていると思います。

女性マネジャーに伝えたいのは、とにかく部下の話をよく聞くこと。それからいいところを見つけてほめる。女性はほめても違和感がないですから。男同士がほめあっているとちょっと気持ち悪いですよね(笑)。女性が「今日の部長のネクタイ素敵ですね」とほめても自然ですが、男性がそれをやったらちょっとおかしく思えてしまいます。これは女性の特性でしょう。しなやかさは女性が持っているすばらしい能力なのです。

わたしが最初にマネジャーになった頃の男性は、トップダウンで一方的なマネジメントをするケースが多かったように思います。わたしはボトムアップで部下が働きやすい環境をつくることを心掛けていました。いつも会話をすることを心がけて、一人の人間として部下と向き合いました。そうすると部下は心を許しますので、仕事もうまくいくのです。

(撮影:梅谷秀司)

島 大輔 『会社四季報プロ500』編集長

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しま だいすけ / Daisuke Shima

慶応義塾大学大学院政策メディア研究科修士課程修了。総合電機メーカー、生活実用系出版社に勤務後、2006年に東洋経済新報社に入社。書籍編集部、『週刊東洋経済』編集部、会社四季報オンライン編集部を経て2017年10月から『会社四季報』編集部に所属。2021年4月より『会社四季報プロ500』編集長。

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