「招かれざる女性上司」、男社会でどう生きた?

横浜市長 林文子氏に聞く(上)

素直に感動する姿が心を打つ

そういう状況に自分がとけ込んでいくためには、部下が自分に対して好意的でないことや、拒否されているかもしれないなんてことを、おくびにも出さないことです。いつもニコニコして、「この職場はいいところね」なんて素直に感動している姿を見せることが大事なのです。部下はその姿を見て、最初は「こんな職場は普通だろう、何を喜んでいるんだ」なんて思っているかもしれません。

「俺はマネジメントが得意だ、何でもできるんだ」なんて余裕の姿を見せるより、不慣れかもしれないけど謙虚に一生懸命やっている姿のほうが、どれだけ部下の心を打つでしょう。

あなた方部下がいるから、自分は上司としてやっていけるんだという姿勢をつねに忘れてはいけません。

もうひとつ大切なことは、部下一人ひとりと向き合うことです。マネジャーになって何十人も部下を持つと、部下が機械のように思えてしまって、この人はよく働いてくれて成績がいい、この人はノルマを達成できない、といった評価しかできなくなってしまいがちです。

まず、それをやめる。人にはそれぞれ個性があり、考え方の違いがある。全員がトップセールスになることはできません。売れない人がいるからトップセールスマンがいるのです。全員が同じ成績を上げることはできません。だから、その人にあった役割をやってもらうことです。セールスに向いているなら集中的に育ててトップセールスになってもらえばいいし、セールスに向いていなくてもアフターケアが得意ならそちらをやってもらう。いいところを伸ばすことをやらなくてはいけないのです。

ところが、マネジャーになりたてのころは部下にレッテル張りしてしまう。ベテラン、中堅、新人といったようにくくってしまいがちです。でも、ベテランでも中堅でも、一人ひとりまったく違うのです。2人の子どもの親もいれば、独身の人もいる。その相手に自分をフィットさせる。管理職の役割は、「その相手」にフィットさせること。「部下」にフィットさせるのではないのです。学校教育で個性を伸ばしましょうと言われますが、それと同じです。

謙虚であることを忘れない

部下と上司が一緒に仕事をすれば、いちばん成長するのは上司です。これは間違いありません。すべての責任を負っているのですから。部下の責任も自分で負って、一生懸命マネジメントをやるのですから、上司はどんどん成長します。

しかし、そうするとどうしてもワンマンな上司が出来上がってしまう。苦しみながらもマネジメントが上達していくと、そのうち部下の悪いところばかり見えてしまう。「何でこんなに自分は頑張っているのに、部下がついてこないんだ」と思ってはいけません。謙虚であることを忘れてはいけないのです。

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