ポケモンGOは「優しい世界」を実現できるか 日本中の公園がキレイになる可能性がある!

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記念撮影の際にポケモンGOを使う若者

ポケモンGOは8月9日、Android版だけで1億ダウンロードを超えました。AR機能を使ったポケモン獲得画面はSNSでのバイラル(クチコミ)に効果を発揮し、元のIP(キャラクター版権)のパワーが強大であるとはいえ、ネットワーク広告を使うことなく着実にユーザー数を増やしてきています。若者たちの間ではポケモンGOを使った新しい遊び方も広がってます。

バイラル効果というものは、SNSが発達した現在ではバカにできないもので、シェアしたくなるような内容であるのと同時に、それを見た人に魅力が伝わるものでないといけません。おいしいのになぜかはやらない店が、SNSでの拡散を意識した「おいしそうな写真が撮れる」照明に変えたところ、客足が一気に伸びたという話もよく聞く話です。

「スターウォーズGO」がありえないワケ

このポケモンGOというタイトルは強力なIPと、AR機能によるバイラル効果に加え、コンテンツの消費が非常に遅いというのも特徴です。たとえば、ギャラドスという強力なポケモンがいます。たまたま街中で出会えればラッキーですが、なかなか出会えないレアキャラです。そこで、用意されているのが「コイキングの進化」という道。しかし、そのためにはコイキングを101匹(進化させるコインキング1匹と「コイキングのアメ」を入手するためのコイキング100匹)を捕まえる必要があります。

これで終わりではありません。今度は「ほしのすな」と、さらにコイキングを捕まえることでゲットした「コイキングのアメ」を使ってCP(戦闘力)を強化していくことになります。ひとつのポケモンを捕まえる=終了ではなく、マックスまで育成するには膨大なポケモンが必要なことからゲームの寿命が伸び、高い継続率も期待できるのです。

このようなことができる「IP」は、実はほとんどありません。「スターウォーズGO」なら世界中ではやるというようなことを言っている人には「アナキン・スカイウォーカーのダークサイド堕ち以外で進化どうするんだよ?」と言うべきですし、そもそもモンスターボールに対するスターウォーズのアイコンはライトセーバーです。残酷です。

一方、可能性があるのは「ガンダムGO」でしょう。ジム改(ガンダム上に登場する地球連邦軍の量産型「モビルスーツ=人型ロボット兵器」の改造強化版)を作るために延々と任意のモビルスーツを狩り続けるというのは、ポケモンと同じような長期運営が可能ですし、鹵獲(ろかく)という概念が世界観の中にあるところも相性がいいでしょう。VR(仮想現実)との相性のほうがよりいいとは思いますが。

あとは、ポケモン世代が育った数年後の世代が大好きな「妖怪ウォッチGO」も考えられます。しかし、ポケモンGOと同じくらい当たる可能性があるのは「ドラクエモンスターズGO」くらいでしょうか。

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