DAU(1日あたりの利用者数)の多さと長い画面占有時間、そしてアプリのダウンロードを促すネットワーク広告を利用しないことから、「業界殺し」の異名がついているポケモンGO。その影響は少なくなく、とある人気タイトルはDAUが半分になったとプロデューサーが嘆いていました。
それくらいIPとバイラル機能、そして長寿命を支えるコンテンツ消費設計ががっつりタッグを組んでいる、文字通りの"モンスター(おばけ)タイトル"なわけです。
さて、話を戻します。前回も書いたように、ポケモン世代というのはアニメのエンディング曲に使われた「ポケモン言えるかな?」がはやっていた時代に小学生だったか、またはポケモンが国民的ゲームに育っていた「金・銀」時代に小学校高学年から中学生であった層です。
これは双方とも、現在25~31歳前後の年齢層です。そもそも、この年令より上の層に関しては、「ポケモン」に対する基礎知識が圧倒的に足りなくて当たり前で、関東在住者以外が「ラーメン二郎」を非難するにも似た状況にあふれているのが現状です。
社会人になってからも「金・銀」をプレーしていた筆者は、ソニー・ミュージックエンタテインメントというエンタメ会社に勤めていても「ゲームマニア」という色眼鏡で見られていました。20代後半まではピカチュウの寝間着を愛用し、NINTENDO64はピカチュウモデルを買っていました。しかし、劇場版のポケモンを見たことはないので、ポケモンネイティブではありません。ですのでポケモン自体には特筆するほどの愛着はありません。
「街」との不協和音が発生
このポケモンGOはポケモンに対する基礎知識であったり、またはポケモンに対しての愛情を糧に実際に街を歩き回り、ポケモンを集めるゲームです。いわゆる「収集系」のゲームで、子供が遊ぶカードゲームのようにバトルをすることもできますが、バーチャル上での出来事ですから、ゲームのカードを落としてしまったりする心配もありません。
しかし、この「実際に街を歩く」という行為と、爆発的に広がったプレーヤーのボリュームで、「街」と不協和音が起ころうとしています。開発者で運営元の米ナイアンティック社のジョン・ハンケCEOは「人生をより豊かに、そして世界をよい方向へ変える」と言っているのに。
現在、ポケモンGOは大ヒットしてます。そして、ポケモンGOという世界に遊んでいるポケモントレーナーは「現実」に侵食してきます。当然、トレーナーが増えている分、さまざまな問題が出てきています。
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