安倍首相はいつアベノミクスを手仕舞いするか 塩田潮の政治Live!

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安倍首相は「口ほどでもない」という面がある。「だから、ダメ。アベちゃんはいつも腰砕け」と、安倍路線の熱烈な支持者や期待を寄せる人たちは嘆くが、反面、安倍路線の危なっかしさに反発や警戒心を抱く人たちは「だから、心配ない」と受け流す。

安倍首相は得意分野の外交、安全保障、憲法問題などで現状打破の強硬論を繰り返し主張してきた。加えて、最近は経済政策で脱デフレ、円高是正、成長実現を掲げ、大胆なアベノミクスを推進する姿勢を明確にする。

だが、首相就任後の実際の舵取りを見ると、脇目も振らずに安倍路線とアベノミクスで一直線というわけではない。

尖閣諸島への公務員常駐や「竹島の日」の式典の政府主催などは沙汰止みである。日銀との関係でも、目指していた政府との「政策協定」はワンランク下の「共同声明」となり、日銀による外債購入プランも円安誘導批判を受けて立ち消えとなりそうな気配だ。

参院選対策で安全運転を心がけている面もあるが、外交では持論の「主張する外交」と「戦略外交」を意識的に使い分ける戦法のようだ。対中外交は、主張は変えずに、一方でアメリカや近隣諸国との連携強化で包囲し、戦略的互恵関係の実現を目指す。その作戦は奏功している。

アベノミクスは、実際はいまのところ掛け声だけで、期待感が市場を動かすというアナウンスメント効果が、経済を「谷底」から「平地」まで押し上げる牽引力となっているが、この後に「山」に向かわせることができるかどうかが勝負となる。

安倍首相は「政治家に努力賞はない」「結果が悪ければ全く意味がない」(著書『この国を守る決意』より)という考えの持ち主だが、経済政策でアナウンスメント効果を超えて実体経済面で結果が出せるかどうか。戦略外交と合わせて、戦略的経済運営がカギとなるだろう。もしかすると、「平地」までの引き上げという所期の役割を果たしたアベノミクスを、この先、いつ手仕舞いするか、その見極めがポイントとなるかもしれない。

塩田 潮 ノンフィクション作家、ジャーナリスト

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しおた うしお / Ushio Shiota

1946年、高知県生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科を卒業。
第1作『霞が関が震えた日』で第5回講談社ノンフィクション賞を受賞。著書は他に『大いなる影法師―代議士秘書の野望と挫折』『「昭和の教祖」安岡正篤』『岸信介』『金融崩壊―昭和経済恐慌からのメッセージ』『郵政最終戦争』『田中角栄失脚』『安倍晋三の力量』『危機の政権』『新版 民主党の研究』『憲法政戦』『権力の握り方』『復活!自民党の謎』『東京は燃えたか―東京オリンピックと黄金の1960年代』『内閣総理大臣の日本経済』など多数。

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