集団的自衛権問題が決着し、安倍内閣が憲法解釈変更による行使容認の閣議決定を行うことが確定した。
「与党で協議を」と安倍首相が打ち出してから4カ月余りを要したが、振り返ると、自民、公明両党が主体的に協議を進めたわけではなく、憲法解釈変更に強い意欲を示す首相に引きずられ、仕方なく与党協議に付き合ったという印象である。
一方、野党側は、この問題で首相に同調する日本維新の会、党内に反対派と賛成派を抱えて腰が定まらない民主党など、ベクトルの方向はさまざまで、首相の独走に手も足も出なかった。
野党だけでなく自公両党も弱体
これを見てもわかるように、政党の役割低下が著しい。「1強多弱」の野党だけでなく、与党の自公両党の弱体ぶりも目立つ。首相は安全保障環境の変化などを唱えて行使容認に突き進んだが、「なぜ急ぐのか」という疑念は消えなかった。
衆参の選挙がない今年が好機というのが急いだ最大の理由だろう。「戦後レジームからの脱却」の成果として何が何でも憲法解釈変更を、という首相の理念・観念・情念による選択と見て間違いない。
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