著名人に仕事を依頼して「OK」と言わせる極意 相手をその気にさせる企画書は何が違うのか
先日、大手企業のビジネスパーソンである知人から、こんな相談がありました。「講演会のセッティングを担当しているのだが、著名人に依頼してもなかなか受けてもらえない」というものです。
講演会は社内の幹部候補向けに定期的に開催されるものだとか。人気ベンチャー企業の社長やオピニオンリーダーとして活躍している著名人に依頼するも、なぜか断られてしまう。その理由はほとんどが「多忙のため」。いわば断りの常套句です。ヒマな著名人などいるはずがなく、言葉の真意は「忙しい合間をぬって時間を捻出するほど、案件に魅力がない」ということです。
ためしにどんな人に依頼しているのか名前を聞いてみると、過去に私が取材したことのある方がほとんどでした。みなさんとても真摯な方で、話が分からない人だとは思えません。きちんと趣旨が伝わっていれば出ていただけそうです。むしろ、日本の将来を担う大手企業の幹部候補とじかに接することは、インプットの機会としても貴重なものと考えるはず。ではなぜ、彼の話が伝わらなかったのでしょう。それは、送った企画書に重大な落ち度があったからなんです。
「格」があることを伝えられているか
以前、知人の編集者が有名作家の方に取材依頼をしたときのこと。「取材謝礼は2万円で」と言ったら、「謝礼はいらないから、シャンパン2本持ってきて」と返されたそうです。どういうことでしょう。「安い取材謝礼は受け取らない」という意味です。こう言われて「シャンパン2本のほうが安くすんだ」なんて喜ぶようでは、一流の人と太いパイプは築けません。
一流の人に仕事をお願いする際、はじめに頭に叩き込んでおきたいことは、一流の人は「格」を気にするということです。それは、苦労して築き上げた「ブランド」を傷つけられたくないからです。
もちろん大手企業の社員だって「格」は気にするでしょう。しかし、会社名を言うだけで「格」や「ブランド」が勝手についてくる大手社員と違って、ベンチャー企業の社長やフリーランスの著名人は油断するととんでもない目に合います。
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