モンスト開発陣が味わった薄給と超高額報酬 岡本吉起とDMM亀山敬司が語る組織と仲間
岡本:自分の愛し方は、一緒に同じ釜の飯を食って、なんなら草刈りも一緒にやって、そういう泥臭いとこは好きですね。
亀山:でも面白いのは、そういう泥臭い集団が、割とドライなIT系会社組織のプロセスを経て、『モンスト』みたいなゲームを生み出せるってとこだよね。プロ集団が集まって、一個の作品を作ったら解散!みたいな。
岡本:明日仕事があるかはわからない世界ですからね。良い仕事すれば次のオファーがあるし。モンストのときなんて、開発からリリースまでの一年間、みんな一律15万円の報酬でしたから。その代わり、事前にロイヤリティを決めていたから、今はみんな……億越えです。
亀山:ひとりひとりの独立精神は身に付くよね。みんなやる気のあるクリエーターは、俺か岡本さんのところに集まろう(笑)
なだめ役とオラオラ系のリーダー 一緒に働く仲間
岡本:でも朝来ないやつは勘弁して欲しい。各自の裁量で途中抜けたり、昼寝するのは問題ないんです。それぞれの才能の使い方もあるし。だけど、朝来ることは才能じゃなくて、努力で出来ること。気持ちは前のめりで100%なやつじゃないと嫌ですね。
亀山:俺は、会って面白ければ一緒に仕事しようかという感じ。どっかで判断する基準はあるんだと思うんだけど、よくわかんない。ただ、最近は若いヤツらに任せている。
岡本:若いヤツらに任せてしまうと、自分の言うことを聞くイエスマンを集めがちになりません?馬力のないつまらないチームが出来上がってしまう恐れもあって。僕は「自分を超えるヤツ」を採ったら、評価するって言っています。そうしたら潰し合わない。
亀山:岡本さんのとこみたいに、クリエーターがクリエーターを育てる場合は、そのやり方が有効なんだろうね。ウチはマネジャー、商売人を育てているから。年功序列だろうが、インセンティブをあげようが、それぞれの育て方のキャラがあって、それでいいと思っている。動物園みたいに組織の中に、色んなキャラの部隊があって、ボコボコした感じがあっても良いと思っている。「はいっ」て言うやつを集めたいわけではないから、それぞれの長が納得して進んでいける形。