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トランプ関税ショックでアメリカ国債価格が急落、FRBによる国債購入再開という「ウルトラC」のテールリスクも頭に入れておくべき理由

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FRBのパウエル議長もトランプ関税ショックで困難な立場に立たされている(写真:Bloomberg)

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本記事は4月15日6:00まで無料会員は全文をご覧いただけます。それ以降は有料会員限定となります。

アメリカが相互関税の上乗せ分を90日間延期した最大の理由は、長期金利の急騰にあったと指摘されている。想定外の長期金利の急騰でアメリカ国債の価格が暴落し、トランプ政権内で危機感が広がった。

想定外の国債暴落で政権内のパワーバランスに変化も

政権内のパワーバランスにも変化が生じ、強硬派のピーター・ナバロ上級顧問の立場が揺らぐ一方、現実派のベッセント財務長官の意見が優先されるようになったようだ。

長期金利の急騰は、海外投資家によるアメリカ国債の投げ売りで生じたとされている。セントルイス連邦準備銀行の統計でアメリカ国債の保有主体の割合を確認すると、2024年12月時点では発行済み国債の23.3%を海外投資家が引き受けていた。つまり、アメリカの財政赤字の2割を支えているのは海外投資家だということになる。

そのほかでは政府内保有が20.1%、FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)が12.7%、アメリカ国内投資家が43.9%である。

海外投資家の中には民間投資家だけではなく、外国の政府や中央銀行も含まれている。国際政治的に考えれば、アメリカが覇権国として世界各国に提供する軍事力(安全保障の傘)や金融力のコストを、世界各国が支えている構図が成立しているのである。この構図に綻びが生じるということは、覇権国としてのアメリカの信用力が低下していることを意味する。

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