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〈インタビュー〉昨年末に日経平均3万円を予言した澤上篤人氏「株価下落はまだ『はしり』。下げがこのまま止まるとは思えない」

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澤上篤人氏
さわかみホールディングス代表としてグループ総帥を務める澤上篤人氏。松下電器貿易(現パナソニック)を辞め、1971年から運用の世界に。スイス・キャピタル・インターナショナルやピクテなどを経て1996年にさわかみ投資顧問(現さわかみ投信)を設立した(撮影:今井康一)

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「2025年は波乱の1年になるだろう。日本株相場で言えば、日経平均は上値が3万9000円と伸び悩む一方、下値は3万円まで突っ込む可能性があるとみている」
2024年12月14日号の「週刊東洋経済」でそう語っていたのは、さわかみ投信を創業した澤上篤人氏(78)だ。長期投資スタンスで運用するさわかみ投信は直販を売りとする独立系運用会社の先駆けで、現在の純資産総額は約3660億円に上る。
4月7日の日経平均は「トランプ関税ショック」により、一時3万0792円まで下げた。翌8日は3万3012円まで戻したとはいえ予断を許さない。澤上氏の目に今のマーケットの状況はどう映っているのか。4月8日午後、話を聞いた。

――昨年、日経平均の下値が「3万円まで突っ込む可能性があるとみている」と話していた澤上さんの予想が現実になりました。

もっといくかもしれない。今はまだ「はしり」。下げは止まらないだろう。3万9000円や4万円に全値戻しすれば別だが。これからは高値から8000円、9000円と下がった重みが効いてくる。

ここまで買ってきた機関投資家は、株価がどんと下がった分だけどうにかして運用成績を補わないといけない。ただ、機関投資家の多くは、与えられた資金をフルに活用し、投資ポジションを保つように努めている。ほかの資産に投資しようにも、一度何かを売って現金化しないと元手がない。

この「現金化の売り」が市場の重荷となる。そして下げの戻りが鈍くなってくると、投資家心理はどんどん弱くなっていき、大きな下げが次の下げを誘う展開となっていく。

「第1弾の買い」を入れる

――さわかみファンドは今どう動いているのでしょう?

われわれはキャッシュポジションも運用戦略の一環としており、マーケットの暴落時に安い株価で投資するための資金とする。ファンドの純資産に占めるキャッシュ比率は3月末だと約12%だったが、相場の下げを想定して直近では15%くらいに上げていた。

マーケットが暴落すると、さわかみファンド(投資信託)にはお客様さまからの買いが入る。昨日(4月7日)もけっこう大きな買いが入り入金があった。なので手持ちのキャッシュだけでなく、顧客からの入金も軍資金として使える。

われわれは実体経済をベースに活動する企業の株に投資してきた。丁寧にみていくと、そういう企業でもすごく売られている銘柄がある。待ちに待った下げがようやく来て買い場となったので、第1弾の買いをそろそろ入れようかというところだ。

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