"長期投資のプロ"が語り尽くす2025年相場展望 波乱含みの日本株市場、「いい会社」を探し出せ
2024年、日経平均株価が史上最高値を更新した日本株相場。デフレ脱却や金利正常化が進む中、2025年はどうなるのか。さわかみホールディングス代表取締役の澤上篤人氏と鎌倉投信社長の鎌田恭幸氏に展望と注意点について語ってもらった。
──2025年の株式市場をどうみていますか。
澤上 世界の株式市場、とりわけアメリカはかれこれ40年にわたって上昇相場が続いた。これだけ上げれば、早晩下げに転じるのは必然だ。
2025年は波乱の1年になるだろう。日本株相場で言えば、日経平均は上値が3万9000円と伸び悩む一方、下値は3万円まで突っ込む可能性があるとみている。
鎌田 「暴落」と言われるほどの下げが実現するかはともかく、アベノミクスから見れば日本株の上昇相場は12年続いた。政策面の後押し、円安、そして自己株買いといった買い要因は一巡しようとしている。
これから本当の意味で企業の実力が試される局面になる。実力ある「いい会社」への選別投資、あるいは銘柄選択眼に長けたアクティブファンドが浮上する1年になるのではないか。
株価上昇が続いた3つの要因
──なぜここまで長期にわたって株価上昇が続いたのでしょうか。
澤上 3つの要因が考えられる。
第1に過剰流動性。オイルショック、ITバブル崩壊、リーマンショックなどで、アメリカを中心に大幅な金融緩和が行われ、世界中に大量のマネーが供給された。
第2は年金マネー。巨額の年金基金を運用するのに、株式市場や債券市場に多額の資金が流れ込んだ。
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