
中国のリチウム大手、天斉鋰業(ティエンチー・リチウム)の業績が過去最悪の水準に落ち込んだ。同社が3月26日に発表した2024年の通期決算によれば、同年の売上高は130億6300万元(約2705億円)と前年比68%も減少。純損益は79億500万元(約1637億円)の赤字に転落した。
巨額損失の主因は、リチウム相場の大幅下落が続く中、過去に高値で調達した原料在庫や未完成の加工設備の減損処理を迫られたことにある。
価格変動のパターンに変化
「2024年は非常に困難な1年だった。リチウムは近年の市場拡大とともにニッチからコモディティに変貌し、価格変動のパターンが以前とは大きく変わった」。天斉鋰業の創業者で董事会名誉主席(名誉会長に相当)を務める蒋衛平氏は、決算発表会でそう釈明した。
天斉鋰業の主力製品であるリチウム化合物の2024年の販売は、数量ベースでは前年よりいくぶん増加した。しかし市場価格が右肩下がりで下落したため、売上高および粗利率の大幅な縮小が避けられなかった。
非鉄金属情報サイトの上海有色網のデータによれば、2024年のリチウム相場は年初の1トン当たり9万6500元(約200万円)から、年末には同7万5000元(約155万円)に値下がりし、1年間の下落幅は20%を超えた。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら