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南米アルゼンチンでリチウム資源の開発を手がける「リチウム・アルゼンチナ」は、カナダに置く本社をスイスに移転する。1月17日に開催された同社の臨時株主総会で、移転計画が承認された。
リチウム・アルゼンチナはトロント証券取引所の上場企業で、アルゼンチン北西部のフフイ州にあるカウチャリ・オラロス塩湖の開発権益を保有する。このプロジェクトは中国のリチウム大手、贛鋒鋰業(ガンフォン・リチウム)との共同事業であり、現地の事業会社に贛鋒鋰業が46.7%、リチウム・アルゼンチナが44.8%、フフイ州鉱業公社(JEMSE)が8.5%をそれぞれ出資している。
(訳注:リチウム・アルゼンチナは1月23日、スイスへの本社移転手続きを完了したと発表した)
審査強化で中国企業を排除
「スイスへの本社移転は、カナダ政府の規制の影響を考慮したためだろう。本社および鉱山の所在地がどちらもカナダ国外にあれば、『カナダ投資法』の法的拘束力が大幅に弱まるからだ」
リチウム・アルゼンチナの本社移転の狙いについて、海外資源投資の法務に詳しい大成法律事務所の李暁峰シニア・パートナーはそう分析する。
ここ数年、カナダ政府は国家安全保障上の懸念を理由にカナダ投資法の改正を重ね、外国資本の投資審査を大幅に強化。その結果、重要鉱物資源の開発権益を持つカナダ企業への投資から、中国企業は排除された。
例えば2022年11月、カナダ政府はカナダの上場企業に資本参加していた中国企業3社に対し、出資の引き上げと販売代理契約の破棄を命じた(訳注:詳しくは『カナダ政府、中国企業に「出資引き揚げ」を命令』を参照)。
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