鳥貴族が快進撃を続けられる本質的な理由 その儲けの構造を抽象化思考で読み解く
参院選は与党の大勝で終わったが、選挙戦の中では、与野党を問わず「ビジョン・理念」や「具体策」という言葉がよく聞かれた。たとえば「財政再建の具体策が出てこない」「震災復興のビジョンがいまだに見えない」「理念先行で具体的な財源の話がないじゃないか」「批判するだけでなく具体的な対案を出せ」などだ。
ビジョンのないままに具体的な話をしても、うまく賛同が得られなかったり、結局は特定の層が得をするだけで全体最適とは程遠い話になってしまったりしがちだ。かと言って、理想を言うだけで具体策がなければ「机上の空論」になってしまう。これは政策の話だけではなく、ビジネスの領域でも変わらない。
儲かっている会社は、なぜ儲かっているのか?
7月6日に配信した「トヨタが一途に社員へ叩きこむ『思考の本質』」では、「ズームイン・ズームアウト思考」と呼ばれる思考法を紹介しつつ、思考の抽象度を自在に上げ下げできるのが「本質的に頭のいい人」だという話をした。ビジネスの中で、この「具体と抽象を自由に行き来する能力」を鍛えるのに役立つのが、「儲かっている会社の『儲かっている理由』を考えること」だ。そして、それには現場に行ってみることが有効である。
実際、儲かっている会社、伸びている会社の店舗に足を運び、そのサービスを実際に受けてみると、ビジネスのヒントがそこら中に転がっていることを実感する。その上で、書籍や雑誌、ネットなどでもその会社のことを調べていくと、多くの価値ある発見や知識が得られる。もちろん、ボーッと見ているだけでは、ヒントなど得られない。自分の会社とは「業界が違う」「環境が違う」という話になってしまいがちだからだ。
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