地方ベンチャーが地方を、そして日本を救う アルビレックス新潟の奇跡(第4回)
そして、一度撤退したわけですが、本人にはまだチャレンジ精神が残っていました。そこで、たまたま100床くらいの中堅規模の病院を受け入れてくれないかという話が銀行からあり、私は彼に実務責任者を任せました。前々から医療をやりたいと言っていたこともあり、彼は今100億円の医療福祉グループ「医療法人愛広会」をつくり上げています。
3億円の失敗体験をもとに、100億円の事業を育てたわけですが、これも、その人の気持ちが切れてないからこそやれるわけです。こういったメンタリティというのは、再チャレンジをよしとする企業風土だからこそ、醸成されていくものだと思います。
――やりやすい環境づくりをしているわけですね。失敗が経営者を磨くという好例だと思いますが、やはり「敗者復活」や「再チャレンジ」を認めないと、人材はなかなか育たないのでしょうか?
やはり、頭の中だけでいくら考えても、先のことを完全に読むのは難しいですよね。リーマンショックにしてもそうですが、今このような世の中になるということを誰も読めなかったわけです。
事業提案をするということは、過去の情報を集めたり事象を分析して、仮説を立てて提案することです。それがうまく的中することもありますが、基本的には外すことの方が多いでしょう。
あるいは、最初はうまくいっても、そのうち想定外のことが山ほど起こってきて、大変なことになる場合もあります。
そのとき、それに負けずにアイデアを出して、ネバーギブアップの姿勢でどう乗り越えていくことができるか。
そこにしか成功の道はないと思います。そして、結局はそれを越えていける人材しか残らないということですよ。
(撮影:今井康一)
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