地方ベンチャーが地方を、そして日本を救う アルビレックス新潟の奇跡(第4回)

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――今後、ニュービジネス協議会で特に力を入れて取り組んでいくことは何でしょうか?

まずは、既存の会員企業への情報や事例の提供の強化です。会員になっているということは、当然、事業変革や新しいビジネスへチャレンジする気持ちがあるということですから、積極的に有益な情報を提供していきます。

また、それらのニュービジネスを進めるに当たっては、残念ながら今の日本には越えなければならないハードルや規制がたくさんあるのも事実です。そういう障壁をどうやってなくしていくかということも重要でしょう。

若者の流出で地方が立ちゆかない

そして、社会構造自体がチャレンジすることに前向きなものになっていないという問題もあります。ベンチャーに対するファンドもまだまだ少ないし、もっとリスクマネーを提供する必要もあるでしょう。そういった問題を少しでも改善するべく、政策提言などを行っていきます。

――池田さんが新潟でやられているように、地方でベンチャーなどの動きが増えれば、地方の活性化も進みますね。

若者が流出することで疲弊して、すでに立ち行かなくなるような状況になってきているところもある。それが、地方都市の現実です。あまりにも中央集権化が進みすぎてしまっているのですが、そうなると、国というのは間違いなく滅びるという見方があります。

なぜかというと、たとえば都会のビルの中でつねに空調が整備されているようなところにいると、人間というのはどうしても弱くなり、退廃していくのです。いわゆる「人間力」のようなものが薄れていく。そして、そうやって育ってきた人たちが一生懸命勉強して社会の主流になると、保守的な官僚社会になってしまうのです。

古代ローマ帝国を見てもわかるように、そういう国はいずれ衰退していくという歴史があります。だから、このような状況の中で、個性のある地方都市が経済的に自立するということは、非常に大きな意味を持つことになるのです。地方に本社があり、やりがいのある雇用の場が増えないと、日本は衰退してしまう。そういう考え方に立脚して、ベンチャーやニュービジネスを地方都市で起こすにはどうすればいいか、ということを皆で考えていきます。

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