「地方移住」ブームに浮かれる面々にモノ申す

すごい人のモデルケースは参考にならない

「地方に住む」について速水健朗さんと議論します
東洋経済オンラインに集いし労働者・学生・市民諸君!「若き老害」こと常見陽平である!
先日お届けした明治大学政治経済学部准教授・飯田泰之氏と地方についてトコトン語り合った対談(「地域再生の進まない街」が抱える残念な特徴など)に続き、今回も「地方」がテーマだ。変化し続ける首都東京を捉えた『東京β: 更新され続ける都市の物語』(筑摩書房)『東京どこに住む?住所格差と人生格差』(朝日新書)を2作連続リリースしたばかりのライター・編集者の速水健朗氏と行った対談イベントの模様をお届けしよう。

「地方移住」がブームは、統計的にはウソ?!

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常見陽平(以下、常見):最近は地方移住をテーマにした雑誌の特集やウェブメディアの記事も増えてきました。私は今年4月から「いしかわUIターン応援団長」を務めています。石川県に移住して働きたいと思っている人と、そういう人を積極的に採用しようとしている企業を応援する仕事です。速水さんは石川県出身で、今はご両親が石川に住まわれているんですね。今、「地方で住む」ことをどのように考えていますか?

速水健朗(以下、速水):石川県は、食に関してはとても恵まれている土地で、観光客もそこには納得してくれます。ちなみに、僕はバーが好きなんですけど、金沢市は、日本の地方都市でももっとも老舗のいいバーが残っている街だと断言できます。首都圏に住んでいる人の中にも、石川への移住を考えている人はいるでしょう。

ただ、最近流行りの移住推進イベントは他の自治体がやっていて、石川がいい場所だからってそれを素直にアピールしてもらうのはなかなか難しいというのも正直なところ。そもそも「地方移住」がブームだとメディアが取り上げる機会が増えていますが、統計的にはそれはウソです。2015年の東京都からの転出数は約37万人、そして転入数が約46万人ですから 、実際起こっていることはご存じのように東京一極集中なわけです。

常見:実際は地方よりも東京に人が集まっているなんて驚きです。

速水:地方自治体も人口減少に歯止めをかけようと躍起になっています。自治体が導入している移住支援を周知するための予算が、雑誌などのタイアップの形でPRに使われて、偽りの地方移住ブームができあがっている状況です。実際に利益を得ているのは、一部メディアだけで、数字としては実態がありません。

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