安倍首相、捲土重来の条件 信頼なき圧勝

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グローバル化の進展により、国の枠を超えて活躍する「グローバルエリート」が生まれている。しかし、そのリアルな姿はなかなか伝わってこない。グローバルエリートたちは何を考え、何に悩み、どんな日々を送っているのか? 日本生まれの韓国人であり、国際金融マンとして、シンガポール、香港、欧州を舞台に活動する著者が、経済、ビジネス、キャリア、そして、身近な生活ネタを縦横無尽につづる。
選挙で圧勝し、再挑戦のチャンスを得た安倍晋三氏。広く国民の信頼を勝ち取れるか(撮影:尾形文繁)
 

アイウィッシュユアメリクリスマス♪ 

アイウィッシュユアメリクリスマス♪

アイウィッシュユアメリクリスマス♪

アンド ハッピーニューイヤー♪♪♪♪

IFC(香港駅の真上にある高級ショッピングモール)のクリスマスツリーとイルミネーションに彩られたトナカイの大きな模型の前で、香港のおばさん聖歌隊と子供たちの聖歌隊がクリスマスソングを唱和する。

育ちのよさそうな坊っちゃん、お嬢ちゃんがきちんと制服を着こなして整然と聖歌を歌う中、一人だけやんちゃ坊主がシャツを前に出して観客にガンを飛ばしている。きっとオーストリアかどこかでバイオリンの有名な先生に師事したであろう指揮者のお兄さんが、声を出さないが大げさなボディランゲッジで子供たちにもっと笑顔で歌うよう指示を出す。

私は久しぶりに香港の家に帰ってきているのだが、約2ヶ月ぶりに香港に帰ってきた途端、例えようのない幸せな空気に包まれた。久しぶりに目にするマンションのスタッフが「どこ行ってたの?」と大きな笑顔で駆け寄ってくれるし、マンション内のレストランのスタッフも再会を喜び、ダイエット中の私に大きなクリスマスケーキをサービスで振る舞ってくれる。感謝の気持ちでチップを渡そうとしても頑として受け取らない。

私が1週間いると聞いて、香港の友人も忙しいだろうに連日深夜まで付き合ってくれた。香港に来た当初は「スタッフが不親切やな」とよく愚痴をこぼしたものだが、日々接するうちに情や信頼関係も芽生え、今では東京に対して抱くのと同じ愛着を香港の人々にも抱くようになった。

グローバルキャリアで最も重要なのは信頼

プライベートエクイティの業界に入ってよかったと思うのは、とにもかくにも人間関係を大切にする仕事なのでいろんな人に気遣いをして、つねに信頼を得ることを第一に考える習慣が身に付いたことだ。齢35にして、人間関係が年々豊かになっていると感じるのだが、それは私が年を取るにつれ誠実さや信頼の大切さを第一の判断基準にするようになったためだと思う。

グローバルファームではどの会社でも知識やIQや学歴以前に、信頼が最も重要視される。しょせん賢さなどでは、厳しい学歴・キャリア競争を経てきたエリートたちに大した差はつかない。リーダーシップの差をつけるのは、モチベーションの高さと自制心、人格、そして何よりも強固な信頼関係である。

ちなみに信頼できない中途半端な小物マネジャーに限って、自分の個室に白々しく“信頼が第一”といった張り紙がしてあるものだ。本当に信頼できる人は、大げさに信頼信頼と言わず、行動で示してくれるものだし、周囲からの尊敬がそれを裏付けるものである。

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