「ムーギーさん、今回はいつものような小説チックな出だしないんですか?なんか真面目で固すぎる気がしますよ。先日は“ふざけすぎ”と言ったり、今回は“まじめすぎ”と言ったり、いろいろうるさくて申し訳ないんですが……」
前回のコラムでマック赤坂氏の話に終盤1ページを割き、最後に新日本プロレスへの突撃訪問取材およびグローバルエリートファンミーティング開催を告知したことで、「最近、グローバルエリートは見た!と全然関係ないじゃないですか」と編集長にしかられてしまった。
よって今回はその揺り戻しで真面目な本文で書き出したのだが、今度は編集長から「固すぎる」と待ったがかかってしまった。ここでの教訓は、政治でもコラムでも、片方に大きく触れてはバランスを逸するということである。
前回のコラムは、出だしがクリスマスソングを歌う聖歌隊なのに写真が大きな安倍氏のポスターだったので、「これでは違和感があって読者が世界に入れない、クリスマスチックな写真にしてくれ」と強く抗議したのだが、軽く一蹴されてしまった。
いつかは売れっ子コラムニストになって、このような恥辱を味あわないですむよう編集部の信頼を獲得し、捲土重来を果たしたいものである。
日本に比べて格段に高い韓国の投票率
零下9度は韓国の大統領選史上最も寒い一日であったが、投票率は75.8%と前回70.8%、前々回63%に比べても格段に上がっている。これは数日前に史上最低の59%まで投票が落ち込んだ日本の衆院選と対照的である。
韓国では選挙に関する関心は皆高い。二週間ほど前、ソウルにいたのだが、タクシーに乗るたびに「今の政治はどう?」「どっちに投票する?」と聞くと、誰もが質問にのってきて、情熱的に答えてくれる。
やれ「財閥優先で貧富の差がひどい」「安哲秀候補は頭はよくても政治経験がないので、いきなり大統領は無理だ」「李大統領は全然ダメだった」「フィリピンやドイツでは女性の指導者が立派にやっているので、韓国も女性でも大統領になれるところを早く見てみたい」などなど、話がとぎれることがない。
与党セヌリ党の朴槿惠氏に対峙したのは、盧武鉉元大統領のかつての側近であり、人権派弁護士出身の民主統合党文在寅氏。3度の直接テレビ討論会では弁護士出身の文候補がやや優勢であったが、テレビ討論を見て支持者を変えたのは5%に過ぎなかった。
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