欧米の見方:参院選の後に安倍政権“本領発揮”か
英BBCのルパート・ウィングフィールド・ヘイズ記者も、日本は右に急旋回する道を選んだとコメントしている。経済的には“アベノミクス”として財政拡大と金融緩和、そして福島原発の問題にもかかわらず資源に乏しい日本では原発を容認していると分析。しかしこれらは別に新しい政策ではなく、自民党の以前の為政者にも何度も試されたが成功はしていない、と経済学者が評しているとも報じている。
英『エコノミスト』誌は、センスのある表現で“自民党が相撲取り並みのサイズの勝利を収めた”との題で“驚くべき復活”と表現。自民党の崩壊がそもそも06年に安倍氏を選んだことに始まり、当初関係が改善した中国と韓国ともとげとげしくなり、国内外から超タカ派の言動で支持を失い病気で突然辞任したことにある。しかし、自民党員も驚いたことに秋のあいまいな選挙で党首に復活し、その後自民党への有権者の支持ではなく民主党への幻滅から首相に返り咲いた、とほぼ正確に報じられている。
ただ安倍氏は、党内でも最も右寄りの党員にアピールして中国との領土問題で強硬姿勢に出ると公言したが、衆院選勝利後に話した優先政策はデフレとの戦いであり、選挙期間中は反対していた消費増税も堅持すると回答。そして、参院選まではマジョリティを得票するために静かにするが、あくまで最終ゴールは憲法改正であり、その目標のためには維新と協力するだろう、と記されている。中国の新聞でも欧米の新聞でも、参院選までは猫をかぶっておとなしくし、その後に本性を現すだろうという論調だ。
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