安倍内閣の抱える3つの急所 経済、外交、政治改革の行方は?

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産業政策の見直しが必要だ

経済の長期低迷をどのように脱却するのかが最大の課題。自民党が強調する金融緩和と公共事業という次元の異なる政策で、日本がデフレから抜け出し経済再生を成し遂げられるのかがいちばんのポイントだ。

総選挙では金融緩和に話題が集中したが、実体経済への効果について過度な期待を抱くべきではない。これだけ日本にカネが流れていながら、なぜ企業の投資や個人消費が活発化しないのか。ここに切り込んでいく手だてが必要になる。

高橋 進(たかはし・すすむ)
日本総合研究所理事長
一橋大経済学部卒。住友銀行を経て90年日本総研入社。2005年内閣府政策統括官。07年より現職。

今後問われるのは産業政策のあり方だ。従来の政策では自民党を含め各党が掲げた分野は育たない。今回の公約で自民党は規制緩和や改革という言葉を入れたが、民間の参入を活発化させるためにどういう規制改革を進めるか、また補助金、税制など政府がどこまで関与するのかなどを具体的にパッケージにして打ち出していく必要がある。

たとえば農業の基盤強化に向けて、経営規模の拡大や農協改革などが必要になるだろう。また、成長産業といわれて久しい医療、介護だが、一方で公的な関与が強い分野であり公的資金の拡大が問題になっている。実現に向けては相当な力業が求められる。新政権ではどこまで踏み込めるか問われる。

原発の問題をきっかけに、電力市場の改革が課題になってきたが、電力にかかわらずインフラコストの引き下げも課題となる。脱原発や円安はコスト上昇につながりかねないだけに、日本企業の競争力を維持するうえで非常に重要だ。

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