日銀引受けは円安とインフレの悪循環を招く 「安倍新政権」の真意を問う

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安倍晋三自由民主党総裁は、金融緩和発言が日銀引受けを認容すると受け止められたため、これは考えていない旨を表明した。

しかし、従来どおりの買い入れ方式に依存するのであれば、「無制限緩和」は技術的にできない。これは、前回指摘したとおりである。

仮に日銀引受けを認めれば、事態はまったく変わる。市場の制約はなくなるのだ。この場合には、次のようになる。

政府が国債を発行して支出する。たとえば道路を建設する。国債は、日銀が直接に購入する。代金は、政府が日銀に持つ当座預金に入る。政府は道路建設業者に小切手を振り出す。業者はこれを取引銀行に持ち込み預金にする。政府の当座預金から銀行の当座預金への振り替えが行われる。結局、マネタリーベースもマネーストックも増えるわけだ。

この過程で市場の制約はない。だから、いくらでも拡大できる。まさに、「無制限」だ。

ただし、これは、金融政策でないことに注意が必要だ。政府が支出している点が重要なのだ。これは金融政策でなく、財政政策である。

この点に関する誤解は一般的である。しばしば、「消費を増やすために、日銀が日銀券を増刷してヘリコプターからバラまけばよい」と言われる。しかし、日銀は紙幣を印刷することはできるが、それを無償でバラまくことはできない。無償でバラまけるのは、政府であり、その行為は財政政策である(無償のバラまきは、2009年に「定額給付金」という形で行われた)。

「金融緩和のため日銀が何でも買えばよい」との議論もある。しかし、日銀が買えるのは金融資産だけだ。道路を建設したり、無償でカネをまいたりすることはできない。

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