安倍内閣の抱える3つの急所

経済、外交、政治改革の行方は?

まずは日米同盟の再構築

外交面で最大の課題は、民主党政権になって信頼関係が大きく揺らいだ日米同盟の再構築だ。日米関係がぐらついては、周辺国との外交にも支障を来しかねない。

沖縄県の在日米軍基地問題について、自民党はもともと抑止力の向上と地元負担の軽減を強調していた。この原点に戻り、本当の意味での政治主導で取り組んでもらいたい。

谷内正太郎 (やち・しょうたろう)
元外務事務次官
外務省条約局長、外務事務次官など歴任。現在、早大日米研究所教授、富士通取締役など。

日中関係は楽観視できない。中国は経済・軍事大国になったが、百数十年間の屈辱の過去がある。歴史的に見てこういう国は厄介な存在だ。

最近の中国指導者たちの発言を聞いていると、従来以上に厳しいことを言っている。大国意識の高揚があるとともに、国内の格差や矛盾、腐敗など非常に大きな問題を抱えている。今は日本に対して強硬に出ていたほうが彼らの権力基盤にとって得策ということなのだろう。

中国の挑発に乗ってはいけないが、手荒な行動をしてきた場合に備え、海上保安庁や海上自衛隊の能力、体制の強化を早急に進めるべきだ。一方で、難しい作業だが、トップレベルから草の根まで、対話を通じて相互理解をしたうえで未来志向の日中関係を築く必要がある。

日韓関係については、両国とも新指導者が登場するタイミングを機に、関係改善に向けた方策を早急に考えていくべきだろう。

また、日本はアジア、太平洋に自由で開かれた国際秩序を作っていくことを中長期的な目標にすべきだ。その観点からTPP(環太平洋経済連携協定)も非常に重要だ。

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