たとえば朝、出勤したらすぐに仕事を始めるのではなく、会社についたら5〜10分ほどムダ話をしてから仕事に入ることが大切です。
日本人はムダ話をしないので、この5分をムダだと思うでしょう。でも、この5分がないと、ブラジル人は職場を楽しく思うことができず、働く意欲をなくします。この5分をムダに思うことが、仕事での大きな損失につながることがあります。
たとえば、大使はすべてのスタッフの誕生日を覚えています。清掃をする人の誕生日まで覚えていて、その日には必ず電話してきてくださいます。それがうれしくて、その人はもっと働こうと思うでしょう。そういったプライベートなことへの関心を持って情報を仕入れて、そして気持ちを表すことが仕事をうまく進めるうえでとても大切なのです。
商談前の入念な準備は時間のムダ!?
また日本人は商談などの前に入念に準備をし、詳細まで決めてから商談に入りますが、ブラジルでのアプローチはまったく逆です。
詳細にこだわらず、大きなビジョンを決めてまずは進み、それから詳細に入ります。
とにかく、全体像をつかむことが大切なのです。上から下に進んでいくビジネスですから、詳細にこだわっていては、ビジネスチャンスを逃すことがあります。大事なのはスピードです。細かいことはその後に詰めていけばいい話です。
――ブラジルを語るときに、日系人の存在は切り離せないと思いますが、どうでしょうか?
ポルト公使:そのとおりです。ブラジルには150万人の日系人がいます。ブラジル人にとって日本はとても身近で、生活の中に当たり前にあるものなのです。
たとえば柿は”KAKI"と呼ばれていて、もともとはブラジルにはないものですが、ブラジル人はブラジルの果物だと思っています。ブラジル産の"SAKE(酒)"もよく飲まれます。Caipirinhaと呼ばれるアルコールで、日本のお酒のような味がするのですよ。
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