――国土が日本の23倍のブラジルは、地域によっても特色があるのではないですか?
ポルト公使:「カリオカ」と呼ばれるリオデジャネイロの人たちはとても明るく、ジョークが大好きです。アメリカで言えばロサンゼルスのようなものです。
サンパウロはNYのようなもので、「パウリスタ」と呼ばれ、仕事好きです。スーツにネクタイをしている人もいるのがサンパウロですね。
最南端のポルトアレグレの人は「ガウショ」と呼ばれ、ドイツ系のブラジル人が多く住み、フォーマルな雰囲気があります。広いブラジルですから特徴はいろいろありますが、でもビジネスマナーは全体として同じなので、大丈夫ですよ。
あれだけ広い国土ですが、ブラジルの南から北まで同じポルトガル語で通じます。ブラジルでビジネスを行えば、そこから南米に広がっていきます。
実は農業のポテンシャルも高い
ブラジルはウルグアイ、アルゼンチン、パラグアイ、ボリビア、ペルー、コロンビア、ベネズエラ、ガイアナ、スリナム、フランス領ギアナの10カ国と国境を接しています。南米大陸でブラジルと国境を接していないのは、エクアドルとチリの2カ国だけなのです。
それに驚くことに、国境をめぐっての争いがどこの国ともないのです。1871年以来、戦争を行っていません。そして今、ブラジル国内でも需要が拡大しており、かつての貧困層が中流になってきています。家電製品などもどんどん売れています。
国土もまだ7.3%しか使っていないので、農業においてもポテンシャルがとてもあります。大豆の生産量はアメリカに次いで世界第2位です。
――中国はブラジルから大豆を大量に買い付けているうえ、ブラジルの土地を取得して大豆を生産し、中国に持って行っていますよね。自給率が低い日本は食糧を確保するための国として、もっとブラジルに入り込むべきだと思いますか?
ポルト公使:そうですね。しかし、日本は規制が多すぎます。それに形がそろったきれいなものしか輸出できません。それでも日本に輸入されている鶏肉の90%はブラジルからですから、貿易は拡大しています。
――JETROによると2011年にブラジルにある日系企業を調査したところ、ローカルマーケットへの販売が伸びてとても好景気とのことですね。ただ、ブラジルコストなど進出にはまだ壁もあると聞きます。
ポルト公使:ブラジルコストもこれからどんどん簡素化を進めていく予定ですので、日本とブラジルのビジネスが盛んになればいいですね。
(撮影:大澤 誠)
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