東京五輪・パラリンピックの開催に伴い、観光や警備、輸送などの分野で多くの「人手」が必要になると言われています。
リクルートワークス研究所の試算によると約80万人の新規雇用を創出。誰もが思いつく建設業だけでなく幅広い業界に人手の需要を生み出すことになりつつあります。
有効求人倍率は変わらず上昇傾向
最近は、人手不足に関して状況が変わってきている……といった声を聞くようになりました。その一例が新卒の採用予定数が「踊り場」に来ている状況です。朝日新聞デジタルの記事によると大手企業の2017年卒の大学生の採用計画で、前年より「増やす」企業は約3割で「減らす」は約2割。減らすは前年の倍にまで増えました。新卒採用の動向は人材市場でも景気に先行して連動すると言われます。アベノミクスは失敗か? といった意見も出る景気の不透明感に企業が敏感に反応しているのかもしれません。
ただ現時点で、企業の採用意欲が下がっているかというと、そういうわけでもありません。採用全般の状況を把握するのに適した指標である有効求人倍率は変わらず上昇傾向。厚生労働省が発表した4月の有効求人倍率は前月比0・04ポイント増の1・34倍で24年ぶりの高水準となっています。さらに都道府県ごとの統計を取り始めた2005年2月以降、初めて全47都道府県がそろって1倍を上回り、仕事を探している人より求人数が多くなったのです。厚労省も「都市部だけでなく地方でも雇用情勢が改善している」と分析。なので、社会人経験のある人が転職活動するタイミングとしては悪くない状況は続いていると言えます。
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