ならば、誰もが転職活動すれば仕事がみつかる=決まるのか? といえば、そうではありません。
「30社受けたけど、1社も内定しない。転職はあきらめるしかないのか」
と嘆いていたのは人材業界で営業をしているGさん。商品企画の仕事がしたいと転職活動をしているようですが、相当に苦戦している様子。周囲をみわたすと転職活動しても「決まらない」「採用されない」と嘆く声を聞く機会が頻繁にあります。
転職活動に要する期間は平均的に3カ月くらいと言われています。それを超えると不安や焦りが出たりするもの。ついには「妥協」の2文字が頭を過ぎるようになり、自分を見失ってしまう人も出てきたりします。そんな状態になってしまう不幸な転職経験は売り手市場でどうして起きてしまうのでしょうか?
未経験職種へのキャリアチェンジを目指すSさん
取材したSさんはネット広告の営業職でしたが、入社3年を経過して会社を退職。営業成績は上位に名を連ねることもありましたので上司からの引き留めは相当あったようです。ただ、入社から3年が過ぎ、同じ仕事をするのに飽きてきたので新しい仕事を探してみよう。世間の雇用環境もいいので、転職は簡単に決まる……と考えていたので転職活動は退職後に行うことにしました。そうして、転職してから就職活動をし始めたものの「決まらない」時間がドンドン過ぎていきました。そして、転職活動は半年を経過していきました。どうして決まらないのでしょうか?
ちなみに新卒採用を「増やす」企業は自動運転の新技術強化につながる理系採用など目的が明確な採用が大半。メガバンクが総合職の採用を2割減らしていますが、既存業務の人手不足の補充はやや充足感が出てきたのでしょう。
中途採用も同様で人手不足の解消というよりは、社内では確保できない専門性や経験を求める求人が増えてきたようです。たとえば、業歴の長い広告代理店。これまで長く取り扱ってきた雑誌や新聞、あるいはイベントなどのプランニングなら社内の誰もができますが、ソーシャルメディアなどの発達で進化するアドテクノロジーに精通した人材が社内には皆無。そこで、こうした分野に精通した人材を中途採用するようになりました。しかも採用される人材はベンチャー企業からの転職組が大半。「実は学生時代に応募して書類選考で落とされた会社にリベンジ転職できたのでうれしい」と時代の変化で生まれたビジネスチャンスに小躍りする人もいるようです。こうした社内において経験者が少ない(ないしはいない)人材の採用に適合する人材はあっという間に転職が決まることでしょう。
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