「キャリアチェンジ」に挑む人に必要な視点 人手不足でもこんなに大変!

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ちなみにSさんが転職活動で探している仕事は、これまでの経験をあまり生かすことないマーケティングプランナーという職種。ネットメディアを活用したマーケティング戦略の企画・提案を行う仕事です。最近はFacebookやTwitter、Instagramなどのソーシャルメディア広告の企画、運用、分析、改善提案をするのが役割。個人的に活用している人はたくさんいますが、商用の運用経験をしている人が少なく、求人がたくさんある職種です。

一方でSさんのこれまでの仕事はアカウントプランナー。クライアントに対するマーケティング戦略の企画提案が主な仕事でした。つまり、未経験の職種へのキャリアチェンジなのです。

キャリアチェンジの転職を成功させるには?

職務内容や環境も異なるため、これまで自分自身が経験・習得してきた技術が次に生かされない可能性があります。ゆえにキャリアチェンジ希望の人材の採用の門戸は狭く、売り手市場でも簡単に決まらないのです。中途採用で会社が期待するのは「これまでの経験・人脈・ノウハウ」など。これを生かさないキャリアチェンジの転職を希望するなら、人手不足という市場環境であっても、自分が受ける恩恵などないという覚悟で取り組むべきでしょう。

それでも、そんな難度の高いキャリアチェンジの転職を決めたいならどうしたらいいのか? なんとなくあこがれの職種だから……とゆるい志望動機ではダメです。相手を納得させるストーリーをしっかり作り込むことが必要です。

これまでの経験がキャリアチェンジにつながっていたという感じのストーリーでしょうか。たとえば、

「営業の立場ながら、マーケティングの仕事に積極的にかかわってきました。その結果として成長を実感できる機会に数多く恵まれたのでキャリアチェンジを目指す決意をしました」

とあこがれだけでなく意欲や納得性の高い理由を織り交ぜて回答すべきでしょう。

職務経歴では、余計なことは書かないほうが無難です。たとえば、Sさんであれば営業職としての業績をアピールしたいところでしょうが、キャリアチェンジ転職では余計な情報かもしれません。それよりも営業プロセスで行った業務分析とか企画力の高さを示す仕事ぶりをしっかり把握し、強調することのほうが重要です。

さらに、経験者を超えるくらいの情熱と思いを込めることが大事です。こうしたきめ細かい工夫を重ねても、キャリアチェンジの転職は簡単ではありません。どうしてもという場合は、覚悟をもって取り組んでください。

高城 幸司 株式会社セレブレイン社長

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たかぎ こうじ / Kouji Takagi

1964年10月21日、東京都生まれ。1986年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。1996年には日本初の独立/起業の情報誌『アントレ』を立ち上げ、事業部長、編集長を経験。その後、株式会社セレブレイン社長に就任。その他、講演活動やラジオパーソナリティとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。著書に『トップ営業のフレームワーク 売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』(東洋経済新報社刊)など。

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