バーへは、ひとりで行こう。 忘年会シーズンは「行きつけ」を見つけるチャンス。

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わたしが、自分の経験値の中で、基準にしているポイントはただ2つ。

それは、おしぼりを使ったあとの置き方と、トイレの使い方です。

 

バーは、「公共の場」。

多いんです。たぶん、そこそこ大きな会社で、それなりの肩書きのある方なんだろうなと、推察はつくのですが、なにぶん、うちのバーでは初めてのお客さま。お互いに、気性もわからず、気心も知れず。

なのに、それが無造作を装って、かっこいいと思っているのでしょうか?  おしぼりをくしゃくしゃにして、放り投げるようにカウンターに置く。

見た目も汚いですし、それに、カウンターが狭いのは見てわかるはずなのに、そんなふうにおしぼりを放置されたら、メニューやお酒のグラスはどこに置けばいいのか。

(すみません、これはあくまでもお客さまの良心に守っていただいているうちのバーだけの話で、むろん、超一流のバーであれば、おしぼりの置き方にも、丁寧な対応をされていると思います)。

逆に、若いお客さまでも、自分のテリトリーというか、カウンター上のスペースを考えて、小さくたたんで、もし水滴が落ちたりしたときに対応できるように、手もとに置かれる方は、とてもスマートに感じます。

そして、もうひとつ。最近では中高年の男性方もずいぶんスマートになられましたけれど、トイレで用を足した後、蓋をしめて出てこられるかどうか、も気にします。そういう方は、他のマナーもよいからです。

 

「狙いは正確に」をお願いしています。

Hollyは小さなバーなので、トイレも男女兼用です。つまり、ご家庭と同じ。
 そして、お客さまがお使いになるたびに、私が直しにいくわけにはいかないので、開店以来ずっと、男性のお客さまがお立ちになったときに目に入るところに、「Dear Gentlemen 狙いは正確にお願いしますね」との小さな張り紙をしています。
 初めてのお客さまは、たいてい、苦笑して出てこられますが、日本語のわかる海外の方には大受けして、「写真にとっていいか」と聞かれたこともあります。「学生に見せるから!」と(日本語学科の教授でした)。

次ページバーは、スマートさを楽しむ場。
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