はじめまして。若者の街といわれているけれど実はそうでもない、東京・下北沢で、Holly(ホリー)という割らない酒の小さなバーを経営しております矢田部と申します。
初回から、思いきり「夜」なタイトルで、勤務中にクリックされた方、申し訳ございません。これからしばらくの間、こちらで、お酒とバーについて、現役マスターの立場から、お話しさせていただければと思います。
実は、脱サラです。
わたしがバーを始めたのは、いまから10年前の2002年で、その前は20年と少し、コピーライターとして生計をたてておりました。紙媒体を中心に、自動車、食品、アパレル、化粧品、精密機器など、いろいろな業種のクライアントにお世話になりましたので、読者のみなさまの中に、もしかしたら後輩の方がいらっしゃるかもしれません。
さて、東洋経済オンラインという、日本の屋台骨を支えてくださっているビジネスマンの方たちの大切な情報収集のためのサイトに、いったいどんなことを書かせていただけばいいのだろう。まったく畑違いのわたしに、編集部からお話があったとき、ちょっと悩みました。
通ってくださっているお客さまたちに、相談したところ、10年カウンターの中に座っていて見てきたことを書けばいいのでは、そして、せっかくだから、酒についての知識や、バーへの敷居を下げることにもトライしたらいいんじゃないか、と。
ですので、この連載には、大きくわけて、次の3つのことを書いていきたいと思います。
酒離れ、バー離れは、本当か?
ひとつは、若者の酒離れが言われているけれど、ほんとうにそうなのか。このことに関しては、わたしは、いわゆる2対8の法則があてはまるのではないかと考えています。
10年間、赤いドアを開けて入ってくる若い人たちを見ていると、確かに10年前より酒に興味をもつ人数自体は減っている、だけど、まったくいないかというとそうでもなく、興味をもってお金もかける若い人たちにはある法則があるのです。
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