私が把握している範囲では、
1. 移動手段が馬であった時代に、酒場の外に乗ってきた馬をつなぐ棒(バー)が設置されていたところからきている、という説。
2. 客の席と酒瓶の棚あるいは酒樽の間に仕切りがなく、客が勝手に酒をつぎはじめたので、それを防止するために棒(バー)で仕切りをつくった、という説。
3. 座り心地がいいように、カウンターと椅子の下に、足をかけるための棒(バー)をつけたのが始まり、という説。
いずれにしても、バーというものは、もともとは何らかの、棒=横木(バー)のある酒場のことでした。
現在の日本で一般的にイメージされている、「バー=カクテル」となったのは、アールヌーヴォーの研究家としても知られる著述家、海野弘氏によると、1920年代以降のことで、いわばここ100年ぐらいのことらしいです(『酒場の文化史』講談社学術文庫)。
カクテルの発明というか歴史については、禁酒法の時代に、酒だということをカモフラージュするためにジュースで割ったなど、興味深い話がいろいろあるのですが、長くなるのでここでは割愛します。興味のある方は、拙著「下北沢 バー・ホリーのお酒の本(電子版 ¥480)」をお読みくださいませ。
バーで、クールダウン。
クールダウン、と言われても、若い方は何のことだかぴんとこないのではと思いますが、近ごろめっきり聞かなくなった言葉のひとつです。
仕事が終わって家に帰る前に、さくっとバーに立ち寄って、軽く1~2杯、それでオンからオフに気持ちを切り替えて、家庭人としての役割をこなす。そう、サードプレイスとしてのバーを、日常の中に一軒。
これで、職場で全力投球したあとも、帰宅後、よき家庭人として、家族をもつことを楽しむ方向へ、気持ちが切り替えられるのです。
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