突破力あるリーダーとは(下) 新世代リーダー 石川康晴 クロスカンパニー社長
気づけば人事考課委員会が世の中の会社と同様男性ばかりになってしまった。そこで立ちあげたのが、女性人事委員会です。委員長は女性で、副委員長2名も女性です。この女性が論理的な定量データ、定性的なデータ、自分たちなりの判断を元に、人事考課委員会に「こんな素敵な女性がいます」と上げる仕組みになっています。
これにより劇的に女性の推薦が増え、女性管理職が増えてきました。この委員長には、女性を推薦するのと同時にその女性が中長期的に働ける環境を提案してほしいと伝えています。例えば、子供ができた瞬間にオフィス内に育児施設も整備するなど社内環境の提案をするというのが推薦の条件になっています。
女性が男になってはいけない
我々が社内でコミットメントした女性管理職の割合は40%、ボードメンバーは20%です。先日国連の「UNWomen」という機関が提唱する「女性のエンパワーメント原則(WEPs)」にもコミットメントさせていただきました。女性登用に関しては、リーダーがコミットメントしない限り組織を変えることは難しいと思います。
また、私が女性人事委員会のメンバーに言い続けていることは「男になるなよ」ということです。飲めない酒に付き合い、家に帰ったら布団にドンと畳み込むように崩れる。それでは女性が働ける環境はつくれないと思います。変な言い方かもしれませんが、女性は女性らしく、女性ならではの感性を組織に生かしていただきたいし、その感性が生かされる環境を会社に提案していただきたいです。
クロスカンパニーはコミットメント通り、課長以上執行役員以下の女性の構成比率が40%になっています。女性が活躍できる職場環境を整備することが女性の雇用創出につながり、女性が働けば日本の財政が潤うと思っています。女性の意見を聞くということは多様な意見を聞くということなので、組織のガバナンス、統治につながります。男性だけで物事を決めていく先にはあまり利益がないのではないかと思います。
当然、男性の意見も聞きます。それに加えて外国人の意見も聞きます。お互い意見を交わしながら最終的な意思決定をしていくのがリーダーのあるべき姿なのではないかと思っています。