映画「ロクヨン」の魅力は一体どこにあるのか 佐藤浩市と三浦友和が「対決」の裏側を語る
映画『64-ロクヨン-』佐藤浩市、三浦友和
これまで『半落ち』『クライマーズ・ハイ』をはじめ数々の小説が映像化されているベストセラー作家、横山秀夫。『64(ロクヨン)』は地方新聞の記者として勤務していた経験が反映された小説であり、「このミステリーがすごい!第1位」などにも輝いた傑作ミステリーだ。
昭和64年、1月5日。関東近県で漬物工場を営む雨宮芳男の娘が誘拐される。少女は遺体で発見。昭和天皇の崩御により7日間で幕を閉じた昭和64年に起こったこの事件は、県警内部で“ロクヨン”と呼ばれ、未解決のまま時が過ぎていく。そして平成14年。刑事として捜査に加わっていた三上は、ふたたびこの事件に向き合うことになる──。
『ヘヴンズ ストーリー』の瀬々敬久監督が手がけた映画版では原作とは異なるエンディングが描かれ、昭和という時代に置き去りにされたままの個人と組織、善と悪の間でもがき続ける人間たちのドラマが、緻密かつエネルギッシュに紡がれている。
自らも家族の問題を抱えながら、警務部の広報官をつとめる主人公を演じた佐藤浩市。そして、三浦友和は三上のかつての上司であり、刑事部の課長、松岡を演じている。ふたりの熱量と緊迫感あふれる共演シーンも、この映画を前へと進ませる原動力になった。