映画「ロクヨン」の魅力は一体どこにあるのか 佐藤浩市と三浦友和が「対決」の裏側を語る
佐藤:でもこうして昔とはまったく違うイメージを持ってもらえるということは、役者の仕事をまだまだ続けていけるかなっていう励みにはなります。
与えてもらった役をただ精一杯やる
三浦:僕らはそのときそのとき、与えてもらった役をただ精一杯やるだけですからね。
佐藤:作品の認知度によって、役者の印象は変わってくるわけじゃないですか。この仕事をしていると、そういう場所に生きて、働いているおかしさってありますね。現実の自分がどんな人間なのかは、身近な人たちしかしらないわけで。
三浦:質問の答えとしては、僕にとっての理想の紳士っていうのは、本当の優しさを持っている人、ということかな。
佐藤:映画界にはまずいないですね。
三浦:そうね、俳優にはまずいない(笑)
佐藤:優しすぎるとできない職業だと思いますね。
三浦:僕は本当の意味での優しさって、まったく知らない人にも優しく接すことができることだと思ってるんですよ。
佐藤:確かに、恵まれている環境にいるときには、当然、周りに優しくできる。これは普通のことで、自分が食うや食わずの生活をしているときに、倒れた人を助け起こす余裕はないかもしれない。環境によって優しさは変わってきますよね。いわゆるセレブと呼ばれている人ではない人が、どれだけのことをできるのか。恵まれていないときでも手を差し伸べられることができるのか。そこに本当の優しさがある気がしますね。
三浦:貧すれば鈍する、だね。そういう意味では、本当の紳士ってあまりいないかもしれない。だからこそ目指したいし、まさに理想ですね。そんな人に出会えたら、ものすごく尊敬すると思います。
(文・細谷美香 写真・湯浅亨)
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