留学「行けばなんとかなる」思考が招く大失敗 「引きこもり」が、かえって悪化するケースも

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親主導で決めてしまったり、勢いで行き先を決めてしまったりすると、ろくな結果を生みません…(写真:JIRI / PIXTA)

これまで多くの留学希望者と接してきた中で、筆者は留学が「成功する人」と「失敗する人」に、一定のパターンがあることに気づきました。同じ過ちを繰り返さないための教訓として、今日はその中からいくつかの失敗事例をご紹介します。

一方的に語る父親、終始言葉が出ない息子…

■失敗留学のパターン1:大学生Tくんの場合

Tくんのお父さんから相談の電話がかかってきたのは、6月の梅雨の時期のことでした。「今年の夏休みはどうしても大学生の息子を海外に行かせたい」とのこと。昨年、最後の一歩が踏み出せず、語学留学を断念したので、今年こそは行かせたい!という強い思いが伝わってきました。

後日、Tくんとお父さん、そろって留学カウンセリングに来てもらい、具体的なお話しを進めました。一方的に父親が説明し、聞いても本人の口からは終始あまり言葉が出てきません。

この後もやり取りは続くのですが、実はもうこの時点で失敗パターンの兆候が現れています。皆さんもお分かりではないでしょうか。

海外に渡航する際には、本人の強い意志が最も大切です。きっかけは親からのアドバイスだったとしても、最終的には自分で問い合わせをすることが最初のステップとなります。大学生の場合はなおさら。独立する第一歩として留学は最適なのですが、少しずつでもいいので、自分の言葉で発言したり、手続きを進めたりしなければなりません。

結局Tくんはある日、カウンセリングの約束の時間に来なくなり、後日お父さんから「今回は断念します」との連絡が。渡航には至りませんでした。

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