留学「行けばなんとかなる」思考が招く大失敗

「引きこもり」が、かえって悪化するケースも

子どもを留学に行かせる場合、親の「子離れ」が絶対条件となります。誤解を恐れずに言いますと、特に子どもが渡航した後、留学中は意識的に子どもとの関わりを断つ必要があります。

留学生は渡航中、必ず壁にブチ当たるものです。友人ができない孤独感や、授業に付いていくための必死の努力など、例外なく全員が困難に遭遇します。そこで日本にいる親に頼りっきりになるか、自分で乗り越えるかで、その後の成長度合いが決まってくるもの。留学に行かせる場合は、それだけの覚悟が双方に必要ということです。

留学で「子どもの問題」が片付くわけではない

■失敗留学のパターン2:高校生Yさんの場合

Yさんのお母さんから「担当エージェントを変えたい」というお電話を受けたのは、3月中旬のことでした。お母さんは「留学を斡旋したエージェントの対応が悪い」とおっしゃいましたが、よくよく聞くと、もともとYさんは日本の高校で引きこもりがちで、現地ではムリに学力に合わない学校に入学させたためついていけず、またホストファミリーとの意思疎通もうまくいかなかったようすなのです。

ただ、お母さんからは「冷凍食品を提供するようなファミリーを斡旋した」と、そのエージェントに対する苦情の言葉が聞こえてきました。

このように、留学によってもともと持っていた”問題”をこじらせるケース、実は最近かなり増えています。その背景を掘り下げると、そこには本人や親の、2つの「過度な期待」があるとわかります。

まずは「海外に行くことで、自分の(子の)”問題”が解決するはずだ」という期待。「引きこもり」や「問題児」といわれる状態から、海外に出ることで、社交的・意欲的で素直な自分になれる(わが子になって帰ってくる)のではないかと期待する方は少なくありません。ですが、現地の環境になじめず、逆にこういった”問題”が悪化するケースもあります。

最初は海外に後ろ向きだった人が、ある時から急にモチベーションを上げ、目覚ましく成長するパターンは確かにあります。ただ、親と子どもの温度差があまりにもある場合(特に、親は行かせたいものの子どもはそうでもない場合)は、ちょっと注意が必要です。

もうひとつの「過度な期待」は、ホストファミリーに対する考え方。われわれは幸いにも、世界で最も豊かな部類の国で生活しているため、どうしても日本を基準に物事を考えがちです。前述の例で言えば、欧米では冷凍食品を「効率的だし、当たり前の食事だ」と考える人も多いのが現実です。

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