留学「行けばなんとかなる」思考が招く大失敗 「引きこもり」が、かえって悪化するケースも
またファミリー側の受け入れ責任は、基本的に「部屋と食事の提供」のみで、コミュニケーションの度合いは家族によってまちまち。その点を渡航前に理解しておけば、誤解につながるケースも少なくなります。
ここまで子どもの自立性を尊重することの重要性をお話しましたが、親の大切な役割だってあります。それは、適切な「留学エージェント選び」です。大人がちゃんと信頼できる会社・団体を選んであげることができれば、その後のことは本人とエージェントにしっかり任せられるはずです。
さて次は、勢いで海外に行ってしまったばっかりに失敗したパターンをご紹介します。
1年間の滞在の末、まさかの「学び直し」
■失敗留学のパターン3:大学生Aくんの場合
大学3年生のAくんが相談に来たのは、春休みの3月中旬。1年間カナダに留学して帰国したばかりだが、なんと「フィリピンの語学学校で英語を学び直したい」というのです。
さかのぼること1年前。当時の彼は都内の大学に通いながら、居酒屋のアルバイトでおカネを貯め、初めての海外渡航を計画していました。将来の就職に漠然とした不安を抱えていたある日、ワーキングホリデーで生活している人のブログを読んで、自分も行きたいと思うようになります。
彼が選択したのはカナダ・バンクーバーでのワーキングホリデー。おカネをセーブするために語学学校には通わず、現地のレストランでアルバイトしながら1年間生活することを選びました。
ではなぜ、そんな彼が英語を学び直すことになったのか。バンクーバーは「世界で最も住みやすい都市」にも選ばれたことがある人気の都市です。アジア人が生活しやすい都市としても知られ、ワーキングホリデーでも非常に人気があります。
ただ注意が必要な点として、アルバイト先は日本食レストランやお土産屋さんといった、日本語環境の職場が多いこと。滞在先として人気のフラットシェアも日本人同士でシェアするケースが多いのです。そうすると結局、一日中一言も英語を話さない日もザラで、結果的に英語力を伸ばすことができずに帰国に至ることがよくあります。
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