若者の間のトレンドリーダーである「パリピ」の間で火がつき、彼らがSNSなどにその様子を写真や動画でばら撒き、それが拡散され、時差を経て多くの若者たちの間でも広がっていき、最終的には上の年代にまで広がっていき、メガヒットとなる商品やサービスが非常に増えてきているのです。
筆者の近著『パリピ経済 パーティーピープルが市場を動かす』(新潮社)でも詳しく解説していますが、そのリアルな実態について若者研究所の現場研究員にレポートしてもらいます。
知られざる「パリピ」の影響力
近年、若者たちの間で流行っているハロウィンパーティーやカラーラン。そんな季節ごとに開催されるイベントから、季節を問わないイベントまで、あらゆるトレンドにいち早く反応し、SNSを通じて日本中へと広めるきっかけを作ったのがパーリーピーポー(party people)、通称「パリピ」と呼ばれる若者たちの存在だ。
メディアの影響で「パリピ=クラブイベントなど賑やかな場所でリア充な生活を送っている若者」といったイメージを持たれがちであるが、それは彼らの一断面に過ぎない。実際にはそれ以外の面でもトレンドの先端をいくような生活を送っていたりするのだ。いったい今、彼らは何に興味を抱き、どんな生活を送っているのか? 今回、複数の若者へのインタビューを通じて、その実態に迫る。
<埼玉県の大学4年生Aさんのケース>
埼玉県にある私立大学に通い、東京モーターショーなどさまざまなイベントでコンパニオンのアルバイトをするAさん。
普段から渋谷や恵比寿で遊び、夏にはホテルのナイトプールで友達と楽しむ様子をInstagramに投稿する。その彼女が実際に訪れ、注目しているというのが伊豆半島の最南端に位置する「ヒリゾ浜」である。
東京からは車で3時間、実際の海岸までは渡船を使って行かなければならないような場所になぜ興味を持ったか聞くと、そこには「日常とかけ離れた大自然の絶景が広がっている」からだという。
都内のクラブなどで遊び尽くした彼女たちにとって六本木や渋谷には新たな発見が少なく、ワクワクするような機会も減っているのだそうだ。その点、ヒリゾ浜をはじめとする地方の絶景スポットには、冒険心を掻きたてる非日常があふれているという。もちろん、絶景というだけあってSNSに写真を載せると多くの「いいね!」を集められるというのもメリットのひとつだそうだ。実際に彼女のSNSでも熱帯魚などのキラキラした魚が海を泳ぐ様子が紹介されている。
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